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カルシウムの意外な働きと効果的な摂取方法とは?骨を強くする栄養素を120%詳解


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骨を強くする栄養素の代表格と言えば、なんと言っても「カルシウム」ですね。

けれども、ビタミンKやマグネシウム等、ほかの大切な栄養素やミネラルを忘れてカルシウムばかりを一生懸命摂っていると、実はかえって骨がもろくなり“骨粗鬆症”を引き起こすことにもなりかねません。

この記事では、骨や体におけるカルシウムの大切な働き、カルシウムの不足や偏りがもたらす「カルシウム・パラドックス」の危険性、そしてカルシウムや他のミネラルをバランスよく摂るためにはどのような食事をしたらよいか…等、カルシウムを巡るあまり知られていない大切な知識についてもお話ししたいと思います。

【目次】

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1.カルシウムが骨やからだを健康に保つ仕組み

① 骨に存在する“貯蔵カルシウム” の働き
② 血液や細胞に存在する“機能カルシウム” の働き

2.カルシウムが不足するとどうなるの?

① “機能カルシウム”の血中濃度は断固保持!その驚くべき身体の仕組みとは?
② カルシウム不足で骨がスカスカに…骨粗鬆症のリスク増大
③ カルシウム不足による「カルシウム・パラドックス」とは?

3.カルシウム不足に陥らないために気をつけたいこと

① 日本人は慢性的にカルシウムが足りない…どれぐらい不足しているの?
② 昔ながらの和食でバランスのよい食事を。

4.カルシウムとともに摂らねばならない大切なミネラルとは何?

① マグネシウム~カルシウムに拮抗して石灰化を予防
② カリウム~カルシウムの浪費を抑え、塩分も排出

5.カルシウムの効果的な摂取方法とは?

① カルシウムを多く含む食品を食べよう! 何があるの?
② カルシウムを補うのに牛乳がおすすめできない理由とは?

6.骨を強くする栄養素 関連記事のご案内




1.カルシウムが骨やからだを健康に保つ仕組み


① 骨に存在する“貯蔵カルシウム” の働き


「カルシウムは骨を丈夫にする」という一般常識のとおり、カルシウムは骨や歯の主要成分であり、リン酸カルシウムや炭酸カルシウムの形で9割以上を占めています。

特に、骨中に存在するリン酸カルシウムの中に “ハイドロキシアパタイト” があり、これは非常に硬い物質で骨の約70%にあたり、身体を支える骨格としての強度を保つ基盤となっています。


また、骨には「カルシウムの貯蔵庫」としての役割もあり、ごく少量ではあるが細胞や生体の機能にも欠かせないカルシウムを、不足時には血液中に供給するという働きもしています。


② 血液や細胞に存在する“機能カルシウム” の働き


no-title体内のカルシウムの99%は、骨に貯蔵されています。

しかし残りの1%は、全身の細胞内外に存在し、筋肉の収縮、脳や神経の情報伝達、血液の凝固など、生命維持に欠かせないあらゆる機能に関わっています。


例えば、筋肉を収縮させて身体を動かす動作は、カルシウムがトロボニンというタンパク質と結合することで起こります。

脳から神経を伝わってきた「筋肉を収縮させろ」という命令を受け筋繊維に放出されたカルシウムイオンが、通常は筋肉の収縮を抑制しているトロボニンと結合してこれを不活性化させることで、筋肉を動かすことを可能にしています。


また、神経の情報伝達のためには、アセチルコリンという情報伝達物質が細胞間を行き来することが必須です。

このアセチルコリンを細胞外へ放出するのがカルモジュリンと呼ばれるタンパク質ですが、このカルモジュリンと結合して活性化することにより、神経細胞間のメッセージのやりとりを可能にしているのがカルシウムです。


その他、血液が固まる作用は複数のタンパク質やカルシウムが次々と連鎖的に結合・活性化されることで起こります。


このようにカルシウムは、骨や歯の中ばかりでなく、微量ではありますが全身の血液や細胞内外に存在し、私たちの身体の日常的な生理機能に深く関わっています。

これらのカルシウムを、骨中の貯蔵カルシウムに対して「機能カルシウム」と呼び、これが不足すれば私たちは到底生きてはいけません。


2.カルシウムが不足するとどうなるの?


① “機能カルシウム”の血中濃度は断固保持!その驚くべき身体の仕組みとは?


血中や細胞内外に存在する機能カルシウムがいかに重要であるか、ここまで読んでお分かりいただけたことと思います。

要するに、機能カルシウムの血中濃度が必要量を下回ると、組織や器官におけるさまざまな生理機能が正常に働かなくなる恐れがあります。

ですので私たちの身体には、この機能カルシウムの血中濃度を厳密に管理・維持するための精巧なシステムが存在しています。


それは、もし食事など外からのカルシウム供給が少ないために血中のカルシウム濃度が低すぎる場合には、私たちの身体はそれを回復すべく、骨や歯に蓄えられている“貯蔵カルシウム”を取り出して全身に補給するというものです。

詳しく言えば、カルシウムの血中濃度が一定量を下回ると、副甲状腺ホルモン (PTH) が分泌されて、骨からカルシウムを溶かし出して血液中に放出する“骨吸収”という作用を促進します。

またPTHは、腎臓から尿とともに排出されそうになっているカルシウムの再吸収を促す働きもあります。

そして、カルシウム濃度が再び回復すれば、今度は甲状腺から別のホルモン (カルシトニン)が分泌され、 骨吸収を抑えてカルシウムを骨へ沈着させたり、カルシウムの尿中への放出を促したりします。


このように、生命の健全な維持に直接関わる“機能カルシウム”の濃度を、常に不足のない状態で保つようなシステムを私たちの身体は備えているのです。


② カルシウム不足で骨がスカスカに…骨粗鬆症のリスク増大


このように、血液中のカルシウムは必ず一定量を保持しなければならないため、少しでも不足があればすぐに骨の中から溶かし出されるように身体は機能しています。

つまり、食事からのカルシウムの摂取が少なすぎると、その分骨からカルシウムが取り出されて血中の機能カルシウムに回され、骨中のカルシウム量がどんどん少なくなり、骨はスカスカになりもろくなってしまうというわけです。


このような状態だと、例えばちょっと転んだだけで骨折したり、骨が砕けてしまいます。
これがいわゆる“骨粗鬆症 (こつそしょうしょう)”です。

そのため、骨を丈夫に保つには、機能カルシウムの不足により骨から過剰のカルシウムが溶かし出されることのないように、日頃から意識してカルシウムの多い食品を摂取することが欠かせません。


③ カルシウム不足による「カルシウム・パラドックス」とは?


また、カルシウムが足りない食生活を長く送っていると、血液中のカルシウム不足を防ぐために常に副腎皮質ホルモン(PTH)が分泌され続けることになります。

そうすると、骨に貯蔵されているカルシウムが絶え間なく溶かし出される一方で、血中には多くのカルシウムが溢れ、行き場を失った余分なカルシウムが血管内や組織に沈着して石灰化し、結石や動脈硬化・心疾患など深刻な生活習慣病の原因となります。


これが、カルシウムの摂取不足によって起こる「カルシウム・パラドックス」という状態であり、現代の食生活が招きやすい健康上の大きな問題となっています。

カルシウム・パラドックスとは、血管や内臓などカルシウムが溜まってはいけない箇所にカルシウムが溜まって問題を起こしているのに、肝心の骨にはカルシウムが足りなくなって骨が弱くなっている状態のことです。


3.カルシウム不足に陥らないために気をつけたいこと


① 日本人は慢性的にカルシウムが足りない…どれぐらい不足しているの?


カルシウムの摂取量自体は、むしろ日本人はずっと不足気味だと言われています。

一日に摂取すべきと推定されるカルシウムの必要量や推奨量よりも、実際に私たちが摂っているカルシウム量はかなり少ないのです。

例えば30~39歳の大人でみると、日本人は平均して推定必要量の約4/5、推奨量の約2/3ほどのカルシウムしか一日に摂取できていません。

(厚生労働省『日本人の食事摂取基準』『平成27年 国民健康・栄養調査報告』を参照)


② 昔ながらの和食でバランスのよい食事を。


カルシウムの効果を体内できちんと生かすためには、カルシウムだけではなく他の栄養素やミネラルもバランスよく摂ることが欠かせません。

特に、カルシウム・パラドックスを予防するのに関わりの深いミネラルとして、マグネシウムとカリウムが挙げられます(後に詳述)


これらのミネラルは、魚介類、ほうれん草などの野菜、昆布やひじきなど海藻、里芋やさつまいもなどのイモ類、大豆やいんげん豆、小豆など豆類、玄米などに多く含まれますので、こういった食品を意識して毎日の食事に取り入れることが大切です。

(カリウムは肉類にも多く含まれていますが、肉はしばしば過剰摂取に陥りやすく、下記『カルシウムを補うのに牛乳を飲むのがおすすめできない理由』で詳しく述べますように、高タンパク食がカルシウム・パラドックスを招く可能性が多くの研究からも示唆されている現状がありますので、カリウムの供給源としてはここではおすすめしません)


魚や野菜、海草、大豆食品 (豆腐や味噌) 等を最も効率的においしく食べられる食事と言えば、やはり昔ながらの和食でしょう。

このような食品からは、カルシウムも過不足なく摂取できます。


脂質も少なくヘルシー、さまざまな栄養素やミネラルがバランスよく摂れるメニューとして、魚の煮付けや野菜の和え物、海草や豆腐を入れた味噌汁といった伝統的な日本の家庭料理は、やはり多くの海外料理に比しても最も健康的で理想的な食事と言えるのです。


4.カルシウムとともに摂らねばならない大切なミネラルとは何?


カルシウムは、他のミネラルや栄養素とともにバランスよく連動して初めて、体内で順調に機能する成分です。

カルシウムとともに骨の健康をサポートするビタミンDやKも大切ですが、ここでは特に、カルシウム・パラドックスのリスクを低めるのに欠かせない2つの重要なミネラルについてご説明したいと思います。


① マグネシウム~カルシウムに拮抗して石灰化を予防


マグネシウムは、細胞内に流入するカルシウム量を適切に調節したり、少量でも強力に働くカルシウムの作用が行き過ぎないように拮抗し、過度の血管収縮や血液の凝固を抑えるという大切な役目を果たしています。

ですので、幾らカルシウムばかりをたくさん摂っても、マグネシウムの摂取が不足してしまうと、血管内の過剰なカルシウムが血管組織や細胞内に入り込むのを防ぐことができず、そこに沈着したカルシウムが石灰化してしまう「カルシウム・パラドックス」を招いてしまいます。


マグネシウムもまた、カルシウムと同じく大切な骨成分の一つです。
骨の健康を守るためにもマグネシウムの適度な摂取が欠かせません。

マグネシウムと骨&カルシウムとの関係については、下記の別記事に詳しくまとめてありますのでご覧ください。
マグネシウムはCaよりも意識して!骨を強くする栄養素を120%詳解


② カリウム~カルシウムの浪費を抑え、塩分も排出


また、カルシウム・パラドックスの原因の一つとして、タンパク質の摂りすぎ等により体内が酸性に傾いたとき、これを中和するために、アルカリ性であるカルシウムが骨から取り出されて使われることが推測されています。

そこで、食事からカリウムを適度に摂取することが勧められます。

食品中に含まれるカリウムには、カルシウムの代わりに血液中の酸を中和する働きがあるため、カルシウム・パラドックスを予防するために野菜や果物などカリウムを多く含む食品を積極的に食べるのが望ましいのです。


また、塩分に含まれるナトリウムの過剰摂取は、カルシウムの腎臓における再吸収を妨げてカルシウムの排出を促してしまうことが知られています。

そこで、塩分摂取を控えるとともに、このナトリウムの排出を促してくれるカリウムを適度に摂ることが、体内のカルシウム不足を避ける効果的な方法の一つです。


5.カルシウムの効果的な摂取方法とは?


① カルシウムを多く含む食品を食べよう! 何があるの?


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大根葉、ひじき、ごま、煮干し。
牛乳に×印を付けてある理由は、後ほど説明します。


大根葉をはじめ、小松菜・ケール・水菜など緑色の葉物野菜にカルシウムは多いです。

それから、煮干し、干しエビ、めざし、しらすぼしなど乾燥させた魚介類。

また、ししゃも、わかさぎ、さばやイワシの缶詰など、骨ごと食べられる魚類はカルシウムがたくさん摂れます。


ひじきは、100g当たり1000mgのカルシウムが含まれていて、海藻の中でもトップクラスです。

ただし、一度に食べられる量が限られているので、他のカルシウム食材も併行して食べましょう。


ごまも、100g当たり1200mgの含有量で、他のナッツ類と比べても圧倒的。
しかし、やはり一度にたくさん食べられる食品ではありません。

野菜のお浸しやきんぴらに常にすりごまを和える、お豆腐にまぶすなど、食べ方はたくさんありますので、毎日少しずつ摂るようにしましょう。


② カルシウムを補うのに牛乳がおすすめできない理由とは?


カルシウムが摂れるといえば牛乳でしょ? と考える方も多いかもしれません。

しかしこの記事では、カルシウムを供給するために牛乳をたくさん飲むことは、決してお勧めしません。

その主な理由を2つ、次に述べたいと思います。

理由その1~牛乳にはタンパク質が多すぎる。

ご存じかと思いますが、牛乳は代表的な高タンパク食品です。

上にも少し触れましたが、タンパク質の過剰摂取はカルシウムの排出を促すことが指摘されています。

結果として牛乳を飲み過ぎるとかえってカルシウム不足を招く恐れがあります。


その機序としては、タンパク質から生じる含硫アミノ酸が血液を酸性に傾けるため、これを中和するためにアルカリ性であるカルシウムが骨から溶かし出され、そのまま排出される…ということが専門の科学者の間で推測されています。

これはまだ、科学的な根拠を持ってきちんと解明されたものではありません。
しかし、タンパク質を多量に摂ることにより、尿を通して排出されるカルシウムの量が増えることは、数多くの研究データによって事実と認められています。


あるいは似たような研究が世界各国にたくさん存在することから、中にはこの事実とは異なる結果が現れた研究も、探せば見つからないことはないです。

そのような数少ないデータを取り上げて、タンパク質の摂りすぎが骨に悪影響を及ぼすことを否定し、高タンパク食を擁護するサイトもちょくちょく見かけます。


また、専門家の中には「タンパク質を多く摂れば腸からのカルシウムの吸収がよくなるので、たとえ尿中の排出量が増えても相殺されるため、さほど問題ではない」と主張する方もいます。

けれども、本当に尿からの排出量と同程度に腸からカルシウムの吸収量が増えるのか、あるいはそれ以上なのか、以下なのか、その辺の度合いもはっきり分かっていません。


2007年に開かれた、FAO(国連食糧農業機関)、 WHO(世界保健機構)、UNU(国際連合大学)による合同専門家協議の中で、人体の栄養におけるタンパク質とアミノ酸の必要量について協議が行われ、その結果が報告されました。

その報告書の中で、タンパク質に含まれる含硫アミノ酸による酸負荷を中和するために骨中のカルシウムが利用される可能性の高いこと、そして、これらの酸を中和するアルカリ化作用の高いカリウムを多く含む果物や野菜の摂取が、骨の健康によい影響を及ぼすことが述べられています。

※参考:タンパク質とアミノ酸の必要量 FAO/WHO/UNU合同専門家協議
(リンク先の「WHO_TRS_935_jpn.pdf」をダウンロードしてください)


なお上記の報告書にも述べられているように、適度なタンパク質の摂取は骨の健康に有益です。

大事なのは、タンパク質ばかりを偏食しないこと、過度な量を摂らないこと、野菜など植物性食品も不足なく食べることです。


したがって、骨を始めからだ全体の健康を保つには、バランスのよい普通の食事で十分だということが分かります。

カルシウムを補給する目的でわざわざ牛乳を余分に飲むことは、タンパク質の過剰を招いてかえって骨を弱くしてしまうことにもなりかねません。


理由その2~牛乳には動物性脂肪も多い。現代の畜産事情にも多くの問題が…。

そもそも牛乳やチーズ、生クリームなどの乳製品には、肥満や動脈硬化の原因になりやすい飽和脂肪酸が多いので、できれば摂取を控えたい食品群の一つです。

また畜産業における現状を見ても、狭い飼育舎にすし詰めにした家畜に遺伝子組み換えや農薬漬けのエサを与え、絶えず抗生物質を投与されている…等、肉類だけでなく乳製品も決して安心・安全な食材とは言い難いように思います。


牛乳を飲むにしても飲まないにしても「牛乳=健康食品!」という図式からは脱却しておきましょう。

牛乳や乳製品には、他では味わえない独特の風味やコクがあり、それ自体はとても魅力的な食材です。


またタンパク質が豊富なゆえ、成長ホルモンの分泌を促し、骨量を増やす働きもあります。

特に成長期の子供にとっては、給食で出されるコップ1杯程度の牛乳を飲むことは、メリットも少なくないかもしれません。

けれども、特に成人した大人にとっては、過剰摂取にくれぐれも注意が必要です。


元から純粋に牛乳が好きでおいしく飲みたいという方は、ときどき嗜好品として飲む程度は構わないでしょう。

カフェオレにしたり、シチューやクリーム煮などお料理に利用するのもよいと思います。


ただ、従来から根強い「牛乳の健康食品説」なるものを固く信じるがために、毎日ノルマを決めて無理をして飲んだり、苦手なのに健康意識から習慣化したりする必要は全くありません。

それよりもむしろ、日頃の食生活をできるだけ和食に近づけたバランスのよいものにすることが、本当に健康な身体をつくるための一番確かな近道です。



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骨を強くする栄養素を120%詳解!④ビタミンK不足は骨粗鬆症に直結。


no-title骨を健康に保つため、特に重要となるビタミンには、ビタミンD、ビタミンCと並んでこの「ビタミンK」があります。

一般には出血を止める作用で知られ「止血のビタミン」とも呼ばれるビタミンKですが、骨を丈夫にして骨粗鬆症や骨折のリスクを抑えるためにも、非常に大切な栄養素です

骨の中を筋状に通るコラーゲン繊維。
そこにカルシウムを沈着させるために欠かせないのが、このビタミンKです。

この記事では、

●ビタミンKが骨の健康に影響を及ぼすしくみ
●ビタミンKが不足すると骨や体はどうなるか。
●ビタミンKを過剰摂取するとどうなるか。
●ビタミンKを多く含む食品


について、詳しくまとめました。

骨を強くすると言うとカルシウムやビタミンCに気を取られ、ついつい見過ごしがちな栄養素の一つですが、ビタミンKの大切さをぜひ知っていただき、今後の食生活の参考にもしていただければと思います。

【目次】

★見出しタイトルの一覧です。
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1.ビタミンKは、どうやって骨を健康に保ってくれるの?

① コラーゲンとカルシウムを結びつけて骨を形成する“オステオカルシン”の生成を助けます。
② 骨からカルシウムやコラーゲンが溶け出すのを抑制します。

2.ビタミンKが不足するとどうなるの?

① 骨に関するビタミンKの欠乏症
② その他、ビタミンKの欠乏症
③ ビタミンKが不足しやすいのは、どんな人?

3.ビタミンKを過剰摂取するとどうなるの?
4.ビタミンKを多く含む食品は?
5.“骨を強くする栄養素”関連記事のご紹介







1.ビタミンKは、どうやって骨を健康に保ってくれるの?


① コラーゲンとカルシウムを結びつけて骨を形成する“オステオカルシン”の生成を助けます。


私たちの骨の25%は、“オステオカルシン”と呼ばれるカルシウム結合タンパク質でできています。

このタンパク質は、新しい骨をつくる働きをする“骨芽細胞”で合成されます。
その際に、ビタミンKは補酵素としてこの合成を助けます。
ビタミンKが不足すれば、このオステオカルシンをつくり出すことができません。


no-title骨はコラーゲンとカルシウムで成っていますが、よく鉄筋コンクリートの建物にたとえられます。

コラーゲンが建物を中心で支える鉄筋、カルシウムがそれを覆って強度を生み出すコンクリートだと言えます。

そしてオステオカルシンは、コラーゲンにカルシウムをくっつける“糊 (のり) ”の役割をします。

オステオカルシンがなければ、コラーゲンとカルシウムを結合させることができず、骨をつくれません。


またオステオカルシンには、体内のカルシウムイオンの動きを制御するなど、とても重要な働きがあります。

ビタミンKには、このオステオカルシンを活性化して、カルシウムが骨に沈着 (石灰化) するのを促進する作用もあります。



② 骨からカルシウムやコラーゲンが溶け出すのを抑制します。


no-title皮膚や筋肉と同じように、骨も常に新陳代謝によって生まれ変わっています。

まず、古くなった骨には“破骨細胞”がやってきます。

破骨細胞は、古い骨のカルシウムとコラーゲンを酸や酵素で溶かすことで、骨を壊します。

溶かし出されたコラーゲンとカルシウムは、血液中へと送り出されていきます。

そこに今度は“骨芽細胞”が新しいコラーゲンを生成し、上に述べた「オステオカルシン」を分泌します。

そうすると、血液中を運ばれてきたカルシウムが自然にそこに付着し、骨を形成するというわけです。

これが骨の新陳代謝、つまり“骨代謝”の大まかな流れです。


ビタミンKには、この破骨細胞の働きを抑制する作用があります。
つまり、骨からカルシウムが溶け出すのを抑えることにより、骨を丈夫に保つ効果があるのです。

さらに、血液中に流れ出たカルシウムが血管内で沈着・石灰化すると動脈硬化の元になりますが、この血管中でのカルシウムの石灰化を抑制する作用も、ビタミンKにはあります。



2.ビタミンKが不足するとどうなるの?


① 骨に関するビタミンKの欠乏症


no-titleビタミンKが不足すると、骨がもろくなって骨粗鬆症や骨折のリスクが高まります

上に述べたように、コラーゲンにカルシウムを沈着させるタンパク質“オステオカルシン”は、ビタミンKの助けを借りてつくられます。

ですので、ビタミンKが不足するとオステオカルシンの量も減り、骨に取り込まれるカルシウムの量が不十分になってしまいます。

骨に強度を与えるカルシウムが足りなくなると、骨は弱くスカスカになり、ちょっとした衝撃で折れたり破砕しやすくなるということです。


ビタミンKは、腸内細菌によって体内でもつくられています

しかし、骨を丈夫に保つためにはそれだけでは足りないことが、近頃の研究で明らかとなってきました。

特に現代では、私たち日本人の和食離れ、野菜離れが進んでいます。
ビタミンKを多く含む納豆・海藻・葉物野菜の摂取量も年々減少していますので、日頃の食生活にも注意が必要です。






② その他、ビタミンKの欠乏症


no-title「止血のビタミン」とも呼ばれるビタミンKには、血液を凝固させて出血を止める働きがあります。

このビタミンKが不足すると、外傷や内出血などケガの際になかなか血が止まらなかったり、鼻血が出やすくなるなどの症状が現れる場合があります。


ビタミンKは、腸内細菌によって体内でもつくられます。

ですので、出血を止める作用のみを考えた場合、新生児やワーファリン(血栓防止用の血液凝固を抑制する薬)を服用しているケースを除き、普通の生活ではビタミンKが欠乏することはほとんどないと言われています。

ただし、骨を十分に強くしようと思えば、やはり体内でつくられるビタミンKのみでは足りず、日頃の食事から積極的にビタミンKを取り入れる必要があります。


③ ビタミンKが不足しやすいのは、どんな人?


妊娠・授乳期の女性は、胎児や赤ちゃんのためにビタミンKを特に多めに摂るべきです。

no-title赤ちゃんはまだ腸内細菌が定着していないため、体内で十分な量のビタミンKをつくり出すことができません。

また、母乳にはビタミンKの含有量が少ないと言われます。

そのため、赤ちゃんは頭蓋内出血や新生児メレナ (消化管出血) などのビタミンK欠乏症にかかることがあります。

これを防ぐため、日本の産婦人科ではビタミンK2シロップが新生児に与えられるのが一般的です。

しかし妊婦さんや授乳婦さんのほうでも、特に 納豆・緑色の葉物野菜・海藻類 を積極的に食べ、ビタミンKが不足しないよう十分に注意を払ってください。



3.ビタミンKを過剰摂取するとどうなるの?


天然のビタミンKに関する過剰症は、今のところ報告例がありません

そのため、体に蓄積されやすいと言われる脂溶性ビタミンでありながら、厚労省「日本人の食事摂取基準」においても、ビタミンKについては耐容上限量は定められていません。

※ 耐容上限量:一般人においては健康障害をもたらす恐れがないとみられる、1日の栄養素摂取の最大限の量。逆に言えば、この“耐容上限量”で定められた量以上を摂取すると、過剰症を発する恐れがあるという意味です。


ただし、動脈硬化や高血圧などでワーファリン(血栓防止用の血液凝固を抑制する薬)を服用されている方には、血を固める働きのあるビタミンKの摂取を制限される場合があります。



4.ビタミンKを多く含む食品は?


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ビタミンK1は、植物の葉緑体でつくられます。
そのため、野菜・緑茶など、緑の濃い植物、特に葉物に多く含まれています。
代表的なものとしては、大根葉・こまつな・ほうれんそう等ですね。


no-titleまた、ひじきや海苔など、海藻にもビタミンKは豊富です。

ただし、一度にたくさんの量を摂るのが難しいので、味噌汁や煮物など昔ながらの日本の食事メニューの中で、納豆や野菜類と併行して毎日少しずつ食べるとよいでしょう。

ビタミンK2は微生物によってつくられるので、納豆が最も身近で効果的な供給源となります。


ビタミンK1もK2も、体内では同じ働きをします。

ビタミンKは私たちの腸内細菌によってもつくられますが、このビタミンKを消化管から吸収することが難しいため、やはり食品からも適切に摂取する必要があるようです。










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骨を強くする栄養素を120%詳解!③リンの過剰摂取で骨粗鬆症の危険大


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リン (燐) のプロフィール
英語で "phosphorus"
元素記号:P 原子番号:15 原子量:30.97
リン (燐) は、ヒトの体になくてはならない大切なミネラルです。

体内でカルシウムに次いで2番目に多く、成人体重の約1%を占めます。

細胞膜やDNAの構成材料となるなど、細胞そのものの存在に欠かせません。

また、脂質や糖質の代謝を補助したり、エネルギーを生み出す元となるなど、人間ばかりでなくあらゆる動植物に最も基本的な生命活動に必須のミネラルです。


にもかかわらず、食がビジネスの手段となり、あらゆる加工品として流通している特異な食環境にある現代では、むしろリンの過剰摂取が大変問題視されています。


この記事では、

●リンの骨における役割とは?
 その他、体内でどんな重要な働きがあるの?
●なぜ現代、リンの過剰摂取が問題になっているの?
●リンを過剰摂取すると、どうして骨粗鬆症になるの?
 その他、リンの過剰摂取による症状や危険は何?


これらの疑問に分かりやすくお答えしたいと思います。





【目次】

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1.リンの、生命体に欠かせない大切な役割とは?

① リンの、骨における働き
② その他の器官での働き

2.なぜ現代は、リンの過剰摂取になりやすいの?

原因① タンパク質の多い食生活
原因② 食品添加物にはリンが多く使われている

3.リンの過剰摂取はなぜよくないの?

① 骨が弱くなり、骨粗鬆症を招く
② 骨以外の場所にリンが蓄積してしまう
③ カルシウムの吸収を妨げる

4.リンとカルシウムの理想的な摂取比率は?
5.“骨を強くする栄養素”関連記事のご紹介




1.リンの、生命体に欠かせない大切な役割とは?


① リンの、骨における働き


no-title体内にあるリンの約8割が、マグネシウムやカルシウムと結びついて「リン酸マグネシウム」や「リン酸カルシウム」として存在し、骨や歯などを形成しています。

特にリン酸カルシウムは、“ハイドロキシアパタイト”と呼ばれる非常に硬い物質の成分であり、骨の強度を保つのに欠かせません。

またマグネシウムは、骨にしなやかさや柔軟性を与えるのに不可欠であり、リンと結合してリン酸マグネシウムの形ではじめて骨の中に存在することができます。

つまりリンは、ヒトの体重を支え動きを助ける“骨格”を形成するのに欠かせないミネラルなのです。




② その他の器官での働き


体内に含まれるリンの残り2割は、たんぱく質や脂質、糖などと結合した有機リン酸化合物として、筋肉、神経、脳、肝臓、その他あらゆる器官や組織に存在します。

<リンの、骨以外の器官における大切な働き>

① 細胞膜のリン脂質や核酸 (DNA・RNA)の材料となる。
 特に脳細胞の高度でスムーズな働きには、リン脂質が欠かせない。
② ビタミンB群の補酵素となり、糖質や脂質の代謝を促進する。
③ リン酸塩として、血液や体液の酸・アルカリを調整し、からだを中性に保つ。
 浸透圧を維持する。
④ 体の動きや器官の働きに必要なエネルギーを生み出す“ATP(アデノシン三リン酸)”の構成材料となる。



①について、細胞膜や核酸など、細胞単位で中心的な重要なパーツをリンは構成しています。

no-title特に④について、細胞は“ミトコンドリア (←画像イメージ)と呼ばれる器官で、糖と塩基とリン酸からATPをつくり出し、これを分解することで、生命活動の根源となるエネルギーを放出しています。

ですのでリンが不足すると、体内のあらゆる生理機能が正常に維持できません。

新陳代謝も低下し、骨や筋肉が衰え、からだも慢性的なだるさを抱えてしまうことでしょう。






2.なぜ現代は、リンの過剰摂取になりやすいの?


上に述べたように、生命体にとって非常に重要なリンは、不足するとさまざまな不調に陥ります。

<リンの欠乏症の例>
食欲不振、骨軟化症、くる病、筋萎縮、溶血性貧血、低リン酸血症 etc.


けれども現代は、むしろ リンの過剰摂取 が心配されています。

その原因は、主に2つあります。




原因① タンパク質の多い食生活


no-title近頃は、タンパク質の多い食事が一般的になってきました。

その一方で、野菜や海藻の食物繊維・ビタミン・ミネラル不足が心配されます。

リンは、肉・魚・卵・牛乳・豆など、タンパク質食品に多く含まれています。

特に食生活が洋風化し、肉類や乳製品をたくさん食べがちな私たち現代人は、リンも多く摂取しがちです。




原因② 食品添加物にはリンが多く使われている


no-title加工食品やコンビニ弁当に使われる食品添加物には、リンが使われているものが数多くあります。

リン酸塩 (Na、K) やメタリン酸は、食品の粘着度を高め固まりやすくする結着剤や酸味を増す酸味料として、ハムやソーセージなど加工肉から惣菜、清涼飲料水・菓子・スナックに至るまで、あらゆる食品に頻繁に使用されています。


このようなことから、リンは必須ミネラルでありながら、不足よりもむしろ摂りすぎに気をつけねばならない成分です。



3.リンの過剰摂取はなぜよくないの?


リンを多く摂りすぎると、主に次のような3つのことが心配されます。


① 骨が弱くなり、骨粗鬆症を招く


no-title骨を硬く丈夫にするためのリンであるはずなのに、過剰摂取はかえって骨を脆くしてしまいます。

その理由は、人間の体はリンとカルシウムのバランスを一定に保とうとする働きがあるからです。


血液中のリンとカルシウムの比率は、およそ3:10~7:10で保たれていると言われます。

このバランスが崩れてリン濃度が高くなりすぎると、カルシウム濃度を高める働きのある 副甲状腺ホルモン が多く分泌され、骨に蓄えてあるカルシウムを血液中に溶かし出してしまいます。

そうなると骨の中のカルシウムが減って骨密度が低下し、骨が弱くなってしまうということです。




② 骨以外の場所にリンが蓄積してしまう


血液中にリンやカルシウムが溢れると、結びついたリン酸カルシウム (=ハイドロキシアパタイト) が、血管や臓器など、骨以外の場所に沈着し、石灰化します。

これを「異所性石灰化」と呼びます。
本来石灰化すべき骨とは異なる場所で石灰化するため、このように言われます。


この異所性石灰化は、血管をはじめ腎臓、心臓、肺、筋肉、関節など、全身のあらゆる組織や器官で起こり得ます。

例えば腎臓で石灰化が起これば、腎臓結石や尿道結石を引き起します。

筋肉や関節が石灰化すれば、炎症を起こして痛みを伴い、思うように動かせなくなります。

俗に言う“四十肩”や“五十肩” (中年以降に肩が痛んで腕が回らなくなる) の原因の一つとして、肩の筋肉や関節に石灰が溜まったために起こるものがあります。


no-titleまた、血管内に石灰が溜まって沈着すれば、血管を狭くしたり硬くしてしまいます。

そうすると、動脈硬化や梗塞 (こうそく:血管が詰まり血液が流れなくなる) を引き起こす原因となります。




③ カルシウムの吸収を妨げる


カルシウムは通常、「リン酸カルシウム」「炭酸カルシウム」「乳酸カルシウム」「シュウ酸カルシウム」のように、『○○酸カルシウム』という塩 (えん) の形で、他の成分との化合物として食品に含まれています。

それが胃に入ると、胃酸の働きで分解されて単独のカルシウム (カルシウムイオン) となり、そうして初めて腸から体内に吸収されるのです。

つまりカルシウムは「○○酸カルシウム」という化合物のままでは、体内に吸収することができないのですね。


ところがリンをたくさん摂取すると、せっかく胃で分解されてイオン化したカルシウムと再び結合してリン酸カルシウムとなってしまうため、腸からのカルシウムの吸収を妨げてしまいます。

その結果、リンを過剰摂取するとカルシウム不足となり、骨が弱くなる原因となってしまいます。






4.リンとカルシウムの理想的な摂取比率は?


上で述べたように、リンを過剰に摂取してカルシウムが不足してしまうと、血液中のリンとカルシウムの適切な濃度割合を維持するために骨からカルシウムを溶かし出してしまうので、骨密度が低下して骨がもろくなってしまいます。

リンとカルシウムの理想的な摂取比率は、「1:1」だと言われています。


no-titleリンの過剰摂取に陥らないためにも、肉や卵、牛乳やチーズが多く使われている洋食中心のファミレスやファストフードの食事、また食品添加物の多いレトルト食品やコンビニ弁当、スーパーの惣菜などはなるべく控えましょう。

そして、なるべく昔ながらの和食中心に食生活を切り替え、小魚や海藻、緑黄色野菜などカルシウムの多い食材を積極的に摂るようにしましょう。


ちなみに牛乳は、カルシウムが多いと言われる食品の代表格ではありますが、乳糖の影響で肝心のカルシウムの消化吸収が悪く、また中性脂肪や悪玉コレステロールをつくりやすい飽和脂肪酸も多いので、私としてはあまりおすすめしたくありません




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骨を強くする栄養素を120%詳解!②ビタミンDはカルシウム吸収に不可欠。


no-titleビタミンD は、カルシウムとともに、骨を丈夫にする効果・効能を得るのに欠かせない大切な栄養素です。

この記事では、

●カルシウム吸収など骨代謝におけるビタミンDの役割
●ビタミンDを多く含む食品
 日光浴による効果的な摂取のしかた
●ビタミンDの不足 or 過剰摂取によるリスク


…について主にお話ししたいと思います。


【目次】

★見出しタイトルの一覧です。
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1.ビタミンDが骨を健康に保つ仕組み ― カルシウムの吸収を強力にサポート。
2.ビタミンDはどうやって摂取したらいいの?

① 食物から摂取する。
② あるとても簡単な方法で、体内で合成できる。

3.ビタミンDが不足すると、骨はどうなるの?

① さまざまなビタミンD欠乏症
② 実際にビタミンDが不足する心配はあるの?

4.ビタミンDを過剰摂取すると、骨はどうなるの?

① ビタミンDの過剰摂取による、さまざまな病気の危険性
② 実際にビタミンDを過剰摂取する心配はあるの?

5.“骨を強くする栄養素”関連記事のご紹介









1.ビタミンDが骨を健康に保つ仕組み ― カルシウムの吸収を助けます。


① ビタミンDの、カルシウムに関わる主な3つの大きな作用


食事によって体内に入ってきたビタミンDは、小腸で脂質と一緒に吸収され、肝臓と腎臓で酵素の作用を受けて“活性型ビタミンD”へと変化します。

この活性型ビタミンDには、骨とカルシウムに関わる次のような重要な作用があります。

<ビタミンDのカルシウムに関わる主な3つの作用>

① 小腸からのカルシウムの吸収を促進する。
② 骨からカルシウムを溶かし出すのを促進、または抑制し、血液中のカルシウム量を調節する。
③ 腎臓からのカルシウムの排出を抑制し、体内への再吸収を促す。



つまり食べ物と一緒に腸に入ってきたカルシウムをより多く体内に取り込み (①) 、しかも外へ排出されるのを極力抑えてくれる (③) のですから、骨を強くしてくれるカルシウムを少しでもたくさん体内に維持するという、最も基本的な大きな仕事をしてくれています。

しかし同時にもう一つ、「血液中のカルシウム量を調節する (②) という大切な役割を担っているのです。



② ビタミンDと、血液中の“機能カルシウム”との関係とは?


no-title体内にある全カルシウムのうち、99%が骨を形成し、残り1%が血液中に存在します。

この血液中に含まれるわずか1%のカルシウムは機能カルシウム”と呼ばれ、全身を周りながら生体を守るための多様な働きをしています。

“機能カルシウム”の作用の一例を挙げると…

●神経刺激の伝達
●筋肉を収縮させる。
●細胞の分裂や分化を促す。
●血液を凝固させる。
●ホルモン分泌を促す。
●タンパク質の合成に関与する。
●遺伝子の発現を促す  …etc.

これらの多岐に渡る、生命維持に欠かせない生理作用のため、機能カルシウムの血液中の濃度は常に一定に保たれるよう厳密に管理されなければなりません

その“血中の機能カルシウムの濃度調節”という大事な働きをしているのが、活性型ビタミンDだというわけです。



③ ここが重要ポイント!ビタミンDが機能カルシウムの濃度を調節する方法とは?


まず、骨代謝の仕組みを理解しておきましょう。

no-title骨にも“新陳代謝”があることはご存じですよね?

古い皮膚が剥がれ落ちて新しい皮膚に生まれ変わるように、骨もまた、古く脆くなった骨は溶かされて血液に吸収され、代わりに新しいコラーゲンが生成されてカルシウムが付着し、再び若々しいしなやかな骨に再生するのです。


古い骨が溶かされて血液に吸収されることを“骨吸収”、新しい骨が形づくられることを“骨形成”と呼びます。

人間の骨は、この骨吸収と骨形成を繰り返しながら、成人では約3年のサイクルで全身の骨が入れ替わると言われています。


古い骨からカルシウムやコラーゲンを血液に溶かし出し、骨を壊していく細胞を「破骨細胞」、その骨が壊された場所に再び新しいコラーゲンを生成し、カルシウムを付着させていく細胞を「骨芽細胞」と呼びます。



ビタミンDが、骨を利用して血液中のカルシウム量を調節する方法とは?

さて、いよいよビタミンDが血中の機能カルシウムの濃度を適切に維持する方法をお話しします。

no-title血中のカルシウム濃度が低いときには、ビタミンDは、上で述べた“破骨細胞”を活性化します。

そうして、古い骨からカルシウムやコラーゲンを血中に溶かし出し、血液中のカルシウム濃度を高めます。

逆に血中のカルシウム濃度が高いときには、今度は破骨細胞を骨から遠ざける作用を及ぼします。

こうして、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制するのです。


このように、骨ばかりでなく血液中においても体内のカルシウム量を適切に調節することで、骨の健康やあらゆる体内の正常な機能を守ってくれているビタミンDは、私たちになくてはならない栄養素なのです。




2.ビタミンDはどうやって摂取したらいいの?


ビタミンDは、主に次の2つの方法で体内に取り入れることができます。

1.食物から摂取する。
2.あるとても簡単な方法で、体内で合成できる




① 食物から摂取する。


ビタミンDを含む食物は、かなり限られていると言われます。

no-title

ビタミンDを多く含む食べ物としては、肉・魚介類・卵などが挙げられます。
特に、魚の干物、塩サケ、しらす干しには豊富に含まれます。

植物性食品としては、干ししいたけ、キクラゲなどのキノコ類がおすすめです。


しかし…ビタミンDはなんと、体内でも合成できる のです!

そのかなりお手軽な方法とは…?

↓↓↓



② あるとても簡単な方法で、体内で合成できる。


no-title

…ずばり、紫外線 です!

紫外線を浴びると、皮膚の下でビタミンDがつくられるのです。


ビタミンDは、人間が摂取する多くの栄養素の中で唯一、日光によって体内合成できるビタミンなので、別名「太陽のビタミン」とも呼ばれています。

紫外線による肌荒れや活性酸素も心配ですが、あまり神経質にならず、骨を丈夫にしたい方は太陽の光に肌を当てるようにするとよいでしょう。


no-title特に、デスクワークなど普段外に出ることが少ない方、寒冷地方にお住まいの方などには、1日1回の日光浴タイムを取り入れることをおすすめします。

ビタミンDを十分につくり出すための日光浴に必要な時間は、暖かい地方では季節を問わず5~10分程度で十分なようです。

しかし、北海道など寒い地域では、夏場は5~10分、紫外線が弱まる冬場には1時間以上を要するようです。

しかも、ガラス越しの日光では効果がありません。

適度な運動も兼ねて1日20~30分の散歩を習慣づけるとともに、最初に述べたような魚やキノコ類などの食品を積極的に食べ、食事からもできるだけビタミンDを補うよう心がけるとよいでしょう。






3.ビタミンDが不足すると、骨はどうなるの?


① さまざまなビタミンD欠乏症


ビタミンDは、小腸では外から入ってくるカルシウムの吸収をサポートし、腎臓ではカルシウムの排出を抑えて再利用に努めるなど、骨を丈夫に保つためのカルシウムが不足しないように働いています。

そのため、ビタミンDが足りなくなると、カルシウムの吸収率が悪くなって骨をもろくしてしまいます。

具体的には、子どもであれば“くる病”、大人であれば骨軟化症のリスクが高まります。
どちらも、カルシウムがきちんと骨に沈着せず、骨がやわらかくなって変形や骨折を起こしやすくなる病気です。


また、血中の機能カルシウム量をこまめに調整するという大切な作用があるので、これが不足すると、体内のカルシウムのバランスが乱れ、血管など余分な場所にカルシウムが沈着する一方で骨の中のカルシウムが不足するなど「カルシウム・パラドックス」が起こります。

血管に余分なカルシウムが溜まると、そこで“石灰化”が起こり、血管を狭めて動脈硬化の原因となります。
一方で骨の中のカルシウムが不足すれば、骨密度が低下して骨粗鬆症を招きます。


その他、骨以外の部分に関わる欠乏症としては、筋肉が弱くなる、免疫力が落ちて風邪やガンにかかりやすくなる、脳から分泌される神経伝達物質“セロトニン”が減り、鬱(うつ)になったりイライラしやすくなる、等が挙げられます。



② 実際にビタミンDが不足する心配はあるの?


生活習慣に気をつけていれば、一般の大人ではあまり心配は要らない。

ビタミンDは、私たち日本人に馴染み深い魚介類やキノコ類に多く含まれており、かつ日光で体内合成もされるため、通常の生活を送っていれば、一般的には不足する心配はないと言われています。

ただし近年では、食生活の欧米化やコンビニ化により、ビタミンDの成人男女1日平均摂取量は年々減少しているようです。

さらに、屋内のデスクワークに通勤は電車やマイカーなど、外を歩く機会が少ない社会人の方も増えているでしょう。


特に女性は、紫外線による美容への悪影響を気にして、日光を避ける傾向が強いです。

またダイエットや健康志向で、肉や魚介類など動物性たんぱく質を極端に控える生活をしていると、ビタミンDの摂取量も減ってしまいます。


上記に紹介したような、ビタミンDを多く含む食品を意識して食べるとともに、屋外に出てある程度は日差しの下を歩く習慣を身に付けることが大切です。



妊婦さんや新生児・乳児のお母さんは気をつけて。

また、最近ではビタミンD不足による赤ちゃんの“くる病”が増加していると聞きます。

ミルクに比べ母乳にはビタミンDの含有量が少ないため、母乳育児の母親が紫外線を避けて室内でばかり育児をしていると、赤ちゃんがビタミンD不足に陥る危険性はあります。

no-titleただし、母乳はミルクよりも吸収率が高く、また赤ちゃんには胎児期に体内に蓄えたビタミンDがあるため、母乳で育てているからと言ってただちにくる病になるようなことはありません。


妊婦さんや授乳婦さんがビタミンDの多い食品を積極的に摂るとともに、帽子をかぶって赤ちゃんと一緒にお散歩や外気浴に出るなど、母乳を出すお母さんの体にビタミンDが不足しないよう気を配ることが大切です。



4.ビタミンDを過剰摂取すると、骨はどうなるの?


① ビタミンDの過剰摂取による、さまざまな病気の危険性


ビタミンDの過剰摂取が長期間続くと、ビタミンDが破骨細胞を促し、カルシウムを骨から溶かし出す作用が強くなります。

なので骨に関しては、カルシウムが必要以上に多量に骨から溶かし出され、骨密度が低下して骨粗鬆症になる危険が高まります。

また、血液中のカルシウム濃度が上昇しすぎて「高カルシウム血症」に陥る可能性があります。

そうすると、血管の内壁や心臓、腎臓などにカルシウムが沈着・石灰化しやすくなり、血管の場合は動脈硬化、心臓の場合は心筋梗塞、腎臓の場合は腎臓結石や尿毒症を招く原因となります。

いずれも命に関わりかねない重大な病気です。



② 実際にビタミンDを過剰摂取する心配はあるの?


ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、水に溶けません。
したがって体外に排出されにくく、肝臓や脂肪細胞などに蓄積されやすいと言われます。

ですので、厚生労働省による『日本人の食事摂取基準(2015年版)』の中で、1日の摂取量における“耐容上限量”が定められています。

耐容上限量とは、「日本人の、ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康傷害をもたらす危険がないとみなされる栄養素摂取量の最大限の量 (Wikipedia) 」です。

要するに、1日にこれ以上の量を食べてしまえば過剰摂取による健康障害をもたらす可能性がある、という意味ですね。

そして、ここで定められているビタミンDの耐容上限量は、18歳以上の男女ともに100ug (マイクログラム)


一方、同じく『日本人の食事摂取基準』で定めている、日本人が1日に必要なビタミンDの摂取目安量は、18歳以上で5.5ugとされています。

そして、厚生労働省の『国民健康・栄養調査(平成26年)』によると、日本人の実際のビタミンD平均摂取量は、男性 (20歳以上) で8.2ug、女性では7.0ugだそうです。


これを見ると、普通の生活をしていればビタミンDの耐容上限量を超えてしまうことは、まずないと言えるでしょう。

ただし、サプリメントなどを飲んでいると、ともすれば過剰摂取に陥る可能性もないとは言えませんので、注意してください。










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チアシードと水溶性食物繊維で便秘解消!効果的な食べ方を120%詳解。


no-title今や日本でも美意識の高い女性たちにすっかり定着した感のあるスーパーフード「チアシード」

人が一日活動できるだけのあらゆる栄養素をバランスよく含み、さらには豊富な食物繊維による優れた腹持ち感があり、ダイエットにも非常に効果的で人気があります。


そんなチアシードの食物繊維ですが、水溶性に比べ、不溶性食物繊維が若干多めなのが気になります。

食物繊維には水に溶けやすいものと溶けにくいものの2種類があり、それぞれダイエットや便秘改善に役立ちますが、作用が異なるため両者をバランスよく摂取することが必要です。


そこでこの記事では、チアシードのみでは不足しがちな水溶性食物繊維を補うことができ、なおかつチアシードと一緒においしく食べられる食材と、そのおいしい食べ方をご紹介したいと思います。

【目次】

★見出しタイトルの一覧です。
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1.果物類

① チアシードと合わせるには野菜よりも果物が断然おすすめ!その理由は?
② 果物をチアシードと一緒に食べる、便宜的なメリットとは?
③ 果物をチアシードと一緒に食べる、栄養的なメリットとは?
④ チアシードと一緒に食べると特に効果的な果物とは?
⑤ チアシード+果物+○○=便秘解消にさらにピカイチの効果!

2.海藻類

① なぜ海藻とチアシードを一緒に食べるのがおすすめなの?
② 特にチアシードと一緒に食べておいしい海藻は何? 食べ方は?

3.野菜類

4.その他の食材

① 大麦
② なめこ
③ 納豆

5.チアシード関連記事のご紹介









1. 果物類


① チアシードと合わせるには野菜よりも果物が断然おすすめ!その理由は?


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一般的には野菜よりも水溶性食物繊維が多いとされている果物ですが…。

実際には、可食部100g当たりの含有量のみを比べたとき、果物よりも野菜のほうが水溶性食物繊維の量は全体的に多いことが分かります。

ただ野菜は、それよりもさらに不溶性食物繊維の量が割合的にも高いので、同じく不溶性食物繊維が多いチアシードと一緒に食べると、場合によっては不溶性の過剰摂取でかえって便秘気味になる可能性もなくはないです。

やはりチアシードと一緒に食べることを考えると、野菜よりも果物のほうが一層おすすめです。



② 果物をチアシードと一緒に食べる、便宜的なメリットとは?


果物は、大した手間もなく生でそのまま食べられるので、手軽に準備できるというチアシードのメリットを損ないません。

また、スイーツ系の好きな私たち女性にとっては、甘い果物とプルプル食感のチアシードで至ってヘルシーなデザートやおやつを食べられるのは、とても魅力的ですよね(●^^●)




③ 果物をチアシードと一緒に食べる、栄養的なメリットとは?


果物には水分が多い ― お通じを促進します。

no-title便秘解消法の一環として果物を食べる大きなメリットとして、「果物には水分が多い」という点が挙げられます。

水は、食物繊維や乳酸菌と並び、お通じをよくして腸内環境を改善するための大切な要素です。

水分を摂ることによって胃や腸が刺激され、腸の蠕動運動が起きやすくなります。

また、水分の一部が腸に届いて便に吸収されるため、便が軟らかくなり排出されやすくなります。



果物にはビタミンCが多い ― 善玉菌を増やします。

もう一つのポイントは、果物にはビタミンCが豊富だということ。

ビタミンCには数え切れないほどのさまざまな健康&美容上の効果がありますが、実は便秘解消にも大変有効なんです。


no-titleビタミンCは、腸内で善玉菌のエサとなって腸の動きを活発にします。

もちろん善玉菌が増えれば、腸内もきれいになって悪玉菌の繁殖も抑えられます。

また、善玉菌によって分解される際に、ビタミンCから発生するガスが腸の蠕動を促すとされています。

さらに、ビタミンCには便を柔らかくする作用もあります。




④ チアシードと一緒に食べると特に効果的な果物とは?


no-titleお通じを促して便秘解消するために、チアシードと一緒に食べると特に効果的なものとしては、次のような果物が挙げられます。

●水溶性食物繊維の多い果物
●ビタミンCの多い果物
●オリゴ糖の多い果物

では下に、これらの理由と具体的な果物の名前を詳しくご紹介しますね(^^)



水溶性食物繊維の多い果物

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果物の中で特に水溶性食物繊維が多いものとしては、
干しプルーン(100g当たり3.4g)、干しいちじく(同3.3g)、アボガド(同1.7g)
等が挙げられます。

特に、干しいちじくとアボガドは水溶性:不溶性の割合がおよそ1:2であるのに対し、干しプルーンの場合はこの割合がほぼ1:1となっています。

不溶性とほぼ同量の水溶性食物繊維を含んでいる、かなり珍しい食材でしょう。
不溶性食物繊維の多いチアシードと一緒に食べるのにとても適しています。



ビタミンCの多い果物

no-title他にも果物では、キウイ、パパイヤ、生のいちじく等に比較的多くの水溶性食物繊維が含まれています。

また、キウイやパパイヤには、ビタミンCが多く含まれています。

いちごやオレンジも、食物繊維量は多くありませんがビタミンCを多く含み、チアシードにトッピングするととてもおいしく食べられる果物です。



オリゴ糖の多い果物

あと一つ、チアシードと一緒に食べるならイチオシのフルーツが、“バナナ”ですね。

皮をむき、食べやすく切ってチアシードに合わせるだけ。とにかく手軽!(●^^●)


no-titleそれにバナナには、食物繊維は少ないですが“オリゴ糖”が多く含まれているんです。

このオリゴ糖は、ビタミンCと同様に乳酸菌やビフィズス菌のエサとなって、腸内環境をよくするのに大きな働きをすることが知られています。




⑤ チアシード+果物+○○=便秘解消にさらにピカイチの効果!


また、チアシードと果物の組み合わせにもう一つ、ある有名な食材を加えると、整腸作用をさらにパワーアップして便秘解消の効果を大きくすることが期待できます。

no-titleその食材とは…ずばり“ヨーグルト”です!

ヨーグルトに含まれる乳酸菌が、チアシードの食物繊維の働きと相まって効果的に腸内環境を整え、お通じを促してくれます。

女性好みのヘルシー・スイーツ食材としても、ヨーグルトは抜群ですよね(^^)


お好きな果物に、プレーンヨーグルトと水で戻したチアシードを一緒にかけてもよいですが、水の代わりにヨーグルトにチアシードを一晩ひたして戻し、フルーツにトッピングするととてもおいしいです。

また職場であれば、戻したチアシードと市販の低糖ヨーグルトを冷蔵庫の隅に常備しておき、お昼休みに小ぶりのおにぎりやパンなど少量のランチのデザートにいただくのもおすすめです。





2.海藻類


① なぜ海藻とチアシードを一緒に食べるのがおすすめなの?


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海藻に特有のヌルヌルしたぬめりは、アルギン酸やフコイダンと呼ばれ、近年注目され研究対象にもされている非常に効能の高い水溶性食物繊維であることが知られています。

アルギン酸は、カリウムやカルシウムと結合して体内の余分なコレステロールを排出したり、食物繊維として腸内環境を整えたり血糖値の急な上昇を抑えるなどの効果があると言われます。

またフコイダンには、免疫機能の強化と正常化による抗ウィルスや抗アレルギー効果、さらには抗がん作用も、幾つかのメカニズムの解明により大いに期待されています。

no-title① アルギン酸の効果・効能について、
詳しくは↓↓↓以下の別記事をご覧ください。

アカモクの食物繊維フコイダン&アルギン酸の驚きの効果・効能を詳解します。

② フコイダンの効果・効能の詳細は、↓↓↓こちらの別記事にまとめてあります。
アカモクの栄養成分と効果・効能について120%よく分かるページです。




さらに、別記事『チアシードの基本的&おすすめの食べ方が120%よく分かるページです。』にも書きましたように、チアシードはヌルヌル・ネバネバ系の食品とも非常に相性がよく、とてもヘルシーな副菜としておいしく食べられます。

栄養的な側面ばかりでなく、食感がこの上なくマッチするという意味においても、チアシード+海藻の組み合わせは大変おすすめの食べ方と言えるでしょう。



② 特にチアシードと一緒に食べておいしい海藻は何? 食べ方は?


ネバネバやヌルヌルの強い海藻

特にヌルヌル感のあるワカメ、もずく、めかぶ等。
これらの酢の物に水で戻したチアシートを混ぜて食べればGood!
また、しらすや大根おろしを加えてポン酢で和えてもよいですね。

おかずの汁物にチアシードを入れるなら、一緒にワカメ、のり、とろろ昆布、アオサ等を加えることをおすすめします。


毎日飲むあなたのお好みの味噌汁やスープに、乾燥した海藻と、常備してある戻したチアシードをちょっと加えるだけで、腹持ちがよく便秘改善してくれる良質の食物繊維や豊富なビタミン・ミネラル・ポリフェノールが手軽に摂れます。

忙しい女性にとって、こんなありがたいことはないですね(^^)



マグネシウムを豊富に含む“アオサ”

no-title一般に“青のり”や“あおさのり”とも呼ばれ、粉末にしてたこ焼きやお好み焼きにも利用される「アオサ」。

←海で獲れたばかりのものは、こんな姿。

このアオサは、便秘解消に効果的なミネラルとして知られるマグネシウムを、他の海藻にも飛び抜けて多く含むことで知られます。


マグネシウムは小腸で吸収されにくいため、一部が大腸にまで届きます。
すると腸内の浸透圧を高め、腸から体内の水分を引き抜くという作用が起ります。

そのため、便は水分を多量に含んでやわらかくなり、排出されやすくなるのです。
また、便のかさが増えるため、腸の蠕動を促して便が出やすくなるメリットもあります。



スイーツでも副菜でもおいしく食べられる“寒天”

それから、海藻類でもう一つ見逃せないのは“寒天”です(^^)

no-titleおうちで寒天ゼリーを作るときに使う“棒寒天”や“粉寒天”には、100g当たり70g以上という高割合で食物繊維が含まれています。

スイーツ系の好きなあなたならピンと来るでしょう。
100%のフルーツジュースにチアシードを戻し、これに寒天を加えてフルーツ寒天をつくればいいのです。


また、棒寒天はちぎって味噌汁やスープに入れても、大変おいしくいただけます。

ここに水で戻したチアシードを加えれば、水溶性&不溶性のダブル繊維効果で、ダイエットと便秘解消にうってつけのヘルシーおかずができますよ。



極めつけは、なんと“アカモク”!

なお、いま話題の新ヘルシー海藻「アカモク」も、実はチアシードと一緒に食べることができます。

no-titleアカモクの超ネバネバ・シャキシャキ食感に、チアシードのプルプル感がびっくりするほどよく合いますよ。

画像は、玄米ご飯にアカモク・水で戻したチアシード・大根おろしを載せただけ。
名付けて『アカモク・チアシー丼』(^^)

また、味噌汁にアカモクとチアシードを一緒に加えても、おいしくいただけます。


「日本発のスーパーフード」とも呼ばれ、あまりにも健康&美容効果の高いフコイダンやフコキサンチンをたっぷり含むヘルシー海藻の頂点「アカモク」を、いま世界的に旬なスーパーフード「チアシード」と一緒に、あなたも食べてみませんか?

no-titleTVや雑誌で話題沸騰中の新しい海藻「アカモク」について、
詳しくは↓↓↓下の記事をご覧ください。

アカモクとは何?ギバサとも呼ぶ海藻の“基本のキ”を説明します。
アカモクの栄養成分と効果・効能について120%よく分かるページです。





3.野菜類


no-title野菜類は全般的に不溶性食物繊維の割合が高いものが多いのですが、中には水溶性食物繊維を多く含むものもあります。

納豆や海藻など、基本的にネバネバ・ヌルヌルするものには水溶性食物繊維が多い傾向にあります。

野菜で言えばオクラ、それに長いもやヤマトイモなど山いも類が該当します。

水で戻したチアシードとも相性がよいです。
食べやすく切ったオクラや山いも、あるいはとろろ芋にチアシードを加え、しょう油やポン酢でいただくとよいでしょう。




4.その他の食材


その他、水溶性食物繊維が多く、チアシードと合わせやすい食材としては、

●大麦
●なめこ
●納豆

などがあります。


① 大麦


no-title大麦はあまり馴染みがないと思われるかもしれませんが、茹でてスープや味噌汁に入れるだけで相当量の水溶性食物繊維を補うことができます。

大麦の茹で方ですが、普通の野菜と同じく、鍋にたっぷりのお湯を沸かして茹でるだけでOKです。


※ 参考サイト
はくばく「ボイルドバァレー(ゆで麦)の作り方」



大麦における食物繊維の含有量は、可食部100g当たり6g (水溶性のみ)。
しかも水溶性:不溶性=2:1と、水溶性のほうがかなり割合が高いのです。

ここに水で戻したチアシードを加えれば、満腹感もアップして便秘解消効果も高い、とてもヘルシーなダイエットスープになります。

意外にも、豆乳(無調整)で戻したチアシードもスープや味噌汁に合うんですよ。
ぜひお試しください。



② なめこ


no-title味噌汁ならば、チアシードとなめこを加えるのもよいですね。

なめこに含まれる水溶性食物繊維は「ムチン」と呼ばれ、あのぬるぬるしたぬめりの元になっている成分です。

このムチンは、人間の目や胃の粘膜成分でもあり、胃壁を保護して胃炎や胃潰瘍を予防したり、ドライアイを防ぐ効果があるとも言われます。



③ 納豆


no-titleまた、水で戻したチアシードと納豆を混ぜ、ご飯に乗せて朝食に食べている方も多いようです。

あまりにもおいしすぎてご飯を食べ過ぎてはいけませんが(笑)、カロリーを考えて食事量を調整すれば、植物性たんぱく質と水溶性食物繊維を同時に摂れるネバネバの納豆にチアシードという組み合わせは、「おいしい!」という意味でも健康的なダイエットにとてもふさわしいと言えます。


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