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骨を強くする栄養素を120%詳解!②ビタミンDはカルシウム吸収に不可欠。


no-titleビタミンD は、カルシウムとともに、骨を丈夫にする効果・効能を得るのに欠かせない大切な栄養素です。

この記事では、

●カルシウム吸収など骨代謝におけるビタミンDの役割
●ビタミンDを多く含む食品
 日光浴による効果的な摂取のしかた
●ビタミンDの不足 or 過剰摂取によるリスク


…について主にお話ししたいと思います。


【目次】

★見出しタイトルの一覧です。
ブログの仕様上、リンクはできませんが、スクロールして興味ある個所からご覧ください。

1.ビタミンDが骨を健康に保つ仕組み ― カルシウムの吸収を強力にサポート。
2.ビタミンDはどうやって摂取したらいいの?

① 食物から摂取する。
② あるとても簡単な方法で、体内で合成できる。

3.ビタミンDが不足すると、骨はどうなるの?

① さまざまなビタミンD欠乏症
② 実際にビタミンDが不足する心配はあるの?

4.ビタミンDを過剰摂取すると、骨はどうなるの?

① ビタミンDの過剰摂取による、さまざまな病気の危険性
② 実際にビタミンDを過剰摂取する心配はあるの?

5.“骨を強くする栄養素”関連記事のご紹介









1.ビタミンDが骨を健康に保つ仕組み ― カルシウムの吸収を助けます。


① ビタミンDの、カルシウムに関わる主な3つの大きな作用


食事によって体内に入ってきたビタミンDは、小腸で脂質と一緒に吸収され、肝臓と腎臓で酵素の作用を受けて“活性型ビタミンD”へと変化します。

この活性型ビタミンDには、骨とカルシウムに関わる次のような重要な作用があります。

<ビタミンDのカルシウムに関わる主な3つの作用>

① 小腸からのカルシウムの吸収を促進する。
② 骨からカルシウムを溶かし出すのを促進、または抑制し、血液中のカルシウム量を調節する。
③ 腎臓からのカルシウムの排出を抑制し、体内への再吸収を促す。



つまり食べ物と一緒に腸に入ってきたカルシウムをより多く体内に取り込み (①) 、しかも外へ排出されるのを極力抑えてくれる (③) のですから、骨を強くしてくれるカルシウムを少しでもたくさん体内に維持するという、最も基本的な大きな仕事をしてくれています。

しかし同時にもう一つ、「血液中のカルシウム量を調節する (②) という大切な役割を担っているのです。



② ビタミンDと、血液中の“機能カルシウム”との関係とは?


no-title体内にある全カルシウムのうち、99%が骨を形成し、残り1%が血液中に存在します。

この血液中に含まれるわずか1%のカルシウムは機能カルシウム”と呼ばれ、全身を周りながら生体を守るための多様な働きをしています。

“機能カルシウム”の作用の一例を挙げると…

●神経刺激の伝達
●筋肉を収縮させる。
●細胞の分裂や分化を促す。
●血液を凝固させる。
●ホルモン分泌を促す。
●タンパク質の合成に関与する。
●遺伝子の発現を促す  …etc.

これらの多岐に渡る、生命維持に欠かせない生理作用のため、機能カルシウムの血液中の濃度は常に一定に保たれるよう厳密に管理されなければなりません

その“血中の機能カルシウムの濃度調節”という大事な働きをしているのが、活性型ビタミンDだというわけです。



③ ここが重要ポイント!ビタミンDが機能カルシウムの濃度を調節する方法とは?


まず、骨代謝の仕組みを理解しておきましょう。

no-title骨にも“新陳代謝”があることはご存じですよね?

古い皮膚が剥がれ落ちて新しい皮膚に生まれ変わるように、骨もまた、古く脆くなった骨は溶かされて血液に吸収され、代わりに新しいコラーゲンが生成されてカルシウムが付着し、再び若々しいしなやかな骨に再生するのです。


古い骨が溶かされて血液に吸収されることを“骨吸収”、新しい骨が形づくられることを“骨形成”と呼びます。

人間の骨は、この骨吸収と骨形成を繰り返しながら、成人では約3年のサイクルで全身の骨が入れ替わると言われています。


古い骨からカルシウムやコラーゲンを血液に溶かし出し、骨を壊していく細胞を「破骨細胞」、その骨が壊された場所に再び新しいコラーゲンを生成し、カルシウムを付着させていく細胞を「骨芽細胞」と呼びます。



ビタミンDが、骨を利用して血液中のカルシウム量を調節する方法とは?

さて、いよいよビタミンDが血中の機能カルシウムの濃度を適切に維持する方法をお話しします。

no-title血中のカルシウム濃度が低いときには、ビタミンDは、上で述べた“破骨細胞”を活性化します。

そうして、古い骨からカルシウムやコラーゲンを血中に溶かし出し、血液中のカルシウム濃度を高めます。

逆に血中のカルシウム濃度が高いときには、今度は破骨細胞を骨から遠ざける作用を及ぼします。

こうして、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制するのです。


このように、骨ばかりでなく血液中においても体内のカルシウム量を適切に調節することで、骨の健康やあらゆる体内の正常な機能を守ってくれているビタミンDは、私たちになくてはならない栄養素なのです。




2.ビタミンDはどうやって摂取したらいいの?


ビタミンDは、主に次の2つの方法で体内に取り入れることができます。

1.食物から摂取する。
2.あるとても簡単な方法で、体内で合成できる




① 食物から摂取する。


ビタミンDを含む食物は、かなり限られていると言われます。

no-title

ビタミンDを多く含む食べ物としては、肉・魚介類・卵などが挙げられます。
特に、魚の干物、塩サケ、しらす干しには豊富に含まれます。

植物性食品としては、干ししいたけ、キクラゲなどのキノコ類がおすすめです。


しかし…ビタミンDはなんと、体内でも合成できる のです!

そのかなりお手軽な方法とは…?

↓↓↓



② あるとても簡単な方法で、体内で合成できる。


no-title

…ずばり、紫外線 です!

紫外線を浴びると、皮膚の下でビタミンDがつくられるのです。


ビタミンDは、人間が摂取する多くの栄養素の中で唯一、日光によって体内合成できるビタミンなので、別名「太陽のビタミン」とも呼ばれています。

紫外線による肌荒れや活性酸素も心配ですが、あまり神経質にならず、骨を丈夫にしたい方は太陽の光に肌を当てるようにするとよいでしょう。


no-title特に、デスクワークなど普段外に出ることが少ない方、寒冷地方にお住まいの方などには、1日1回の日光浴タイムを取り入れることをおすすめします。

ビタミンDを十分につくり出すための日光浴に必要な時間は、暖かい地方では季節を問わず5~10分程度で十分なようです。

しかし、北海道など寒い地域では、夏場は5~10分、紫外線が弱まる冬場には1時間以上を要するようです。

しかも、ガラス越しの日光では効果がありません。

適度な運動も兼ねて1日20~30分の散歩を習慣づけるとともに、最初に述べたような魚やキノコ類などの食品を積極的に食べ、食事からもできるだけビタミンDを補うよう心がけるとよいでしょう。






3.ビタミンDが不足すると、骨はどうなるの?


① さまざまなビタミンD欠乏症


ビタミンDは、小腸では外から入ってくるカルシウムの吸収をサポートし、腎臓ではカルシウムの排出を抑えて再利用に努めるなど、骨を丈夫に保つためのカルシウムが不足しないように働いています。

そのため、ビタミンDが足りなくなると、カルシウムの吸収率が悪くなって骨をもろくしてしまいます。

具体的には、子どもであれば“くる病”、大人であれば骨軟化症のリスクが高まります。
どちらも、カルシウムがきちんと骨に沈着せず、骨がやわらかくなって変形や骨折を起こしやすくなる病気です。


また、血中の機能カルシウム量をこまめに調整するという大切な作用があるので、これが不足すると、体内のカルシウムのバランスが乱れ、血管など余分な場所にカルシウムが沈着する一方で骨の中のカルシウムが不足するなど「カルシウム・パラドックス」が起こります。

血管に余分なカルシウムが溜まると、そこで“石灰化”が起こり、血管を狭めて動脈硬化の原因となります。
一方で骨の中のカルシウムが不足すれば、骨密度が低下して骨粗鬆症を招きます。


その他、骨以外の部分に関わる欠乏症としては、筋肉が弱くなる、免疫力が落ちて風邪やガンにかかりやすくなる、脳から分泌される神経伝達物質“セロトニン”が減り、鬱(うつ)になったりイライラしやすくなる、等が挙げられます。



② 実際にビタミンDが不足する心配はあるの?


生活習慣に気をつけていれば、一般の大人ではあまり心配は要らない。

ビタミンDは、私たち日本人に馴染み深い魚介類やキノコ類に多く含まれており、かつ日光で体内合成もされるため、通常の生活を送っていれば、一般的には不足する心配はないと言われています。

ただし近年では、食生活の欧米化やコンビニ化により、ビタミンDの成人男女1日平均摂取量は年々減少しているようです。

さらに、屋内のデスクワークに通勤は電車やマイカーなど、外を歩く機会が少ない社会人の方も増えているでしょう。


特に女性は、紫外線による美容への悪影響を気にして、日光を避ける傾向が強いです。

またダイエットや健康志向で、肉や魚介類など動物性たんぱく質を極端に控える生活をしていると、ビタミンDの摂取量も減ってしまいます。


上記に紹介したような、ビタミンDを多く含む食品を意識して食べるとともに、屋外に出てある程度は日差しの下を歩く習慣を身に付けることが大切です。



妊婦さんや新生児・乳児のお母さんは気をつけて。

また、最近ではビタミンD不足による赤ちゃんの“くる病”が増加していると聞きます。

ミルクに比べ母乳にはビタミンDの含有量が少ないため、母乳育児の母親が紫外線を避けて室内でばかり育児をしていると、赤ちゃんがビタミンD不足に陥る危険性はあります。

no-titleただし、母乳はミルクよりも吸収率が高く、また赤ちゃんには胎児期に体内に蓄えたビタミンDがあるため、母乳で育てているからと言ってただちにくる病になるようなことはありません。


妊婦さんや授乳婦さんがビタミンDの多い食品を積極的に摂るとともに、帽子をかぶって赤ちゃんと一緒にお散歩や外気浴に出るなど、母乳を出すお母さんの体にビタミンDが不足しないよう気を配ることが大切です。



4.ビタミンDを過剰摂取すると、骨はどうなるの?


① ビタミンDの過剰摂取による、さまざまな病気の危険性


ビタミンDの過剰摂取が長期間続くと、ビタミンDが破骨細胞を促し、カルシウムを骨から溶かし出す作用が強くなります。

なので骨に関しては、カルシウムが必要以上に多量に骨から溶かし出され、骨密度が低下して骨粗鬆症になる危険が高まります。

また、血液中のカルシウム濃度が上昇しすぎて「高カルシウム血症」に陥る可能性があります。

そうすると、血管の内壁や心臓、腎臓などにカルシウムが沈着・石灰化しやすくなり、血管の場合は動脈硬化、心臓の場合は心筋梗塞、腎臓の場合は腎臓結石や尿毒症を招く原因となります。

いずれも命に関わりかねない重大な病気です。



② 実際にビタミンDを過剰摂取する心配はあるの?


ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、水に溶けません。
したがって体外に排出されにくく、肝臓や脂肪細胞などに蓄積されやすいと言われます。

ですので、厚生労働省による『日本人の食事摂取基準(2015年版)』の中で、1日の摂取量における“耐容上限量”が定められています。

耐容上限量とは、「日本人の、ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康傷害をもたらす危険がないとみなされる栄養素摂取量の最大限の量 (Wikipedia) 」です。

要するに、1日にこれ以上の量を食べてしまえば過剰摂取による健康障害をもたらす可能性がある、という意味ですね。

そして、ここで定められているビタミンDの耐容上限量は、18歳以上の男女ともに100ug (マイクログラム)


一方、同じく『日本人の食事摂取基準』で定めている、日本人が1日に必要なビタミンDの摂取目安量は、18歳以上で5.5ugとされています。

そして、厚生労働省の『国民健康・栄養調査(平成26年)』によると、日本人の実際のビタミンD平均摂取量は、男性 (20歳以上) で8.2ug、女性では7.0ugだそうです。


これを見ると、普通の生活をしていればビタミンDの耐容上限量を超えてしまうことは、まずないと言えるでしょう。

ただし、サプリメントなどを飲んでいると、ともすれば過剰摂取に陥る可能性もないとは言えませんので、注意してください。










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