パクチー=コリアンダー (香菜) が今、日本でも徐々に注目を集めています。
まだまだ国内では珍しいようで、近くのスーパーで見つけるにも一苦労します。
「カメムシの味」とまで言われる個性的な香りと風味で、セロリと同じく好き嫌いをはっきりと二分する食材。
けれどもパクチーは、インド・南米・東南アジアではごく日常的に食されており、エスニック料理には絶対に欠かせない香草です。
上の画像は、
ベトナムの麺料理「フォー」で、パクチーを添えたもの。
このように鮮やかな緑色と強い香気で、とても暑い熱帯の国々でも
食欲を促進し、体力の消耗を防いでくれるんです。
また近年の研究により、パクチーには他にも驚くような健康や美容効果のあることが分かってきました。
例えば代表的なものに、他の食材に比べても突出した
デトックスと抗酸化力 が挙げられます。
この記事では、そんなパクチーの豊富な栄養素と優れた効果・効能について、
初心者の方にも120%理解できるようまとめてあります。
これを知れば「食わず嫌い」はもったいない!! (^^;)
あなたもぜひパクチー好き、エスニック好きになって、パクチーの持つ素晴らしいアンチエイジングや健康増進の力を存分に活用してくださいね。
【目次】
★見出しタイトルの一覧です。
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1.強力なデトックス効果 ― パクチーを食べて有害金属を即排出!
2.抗酸化作用は野菜・豆・果物の中でもトップレベル!人はパクチーで若返る
3.パクチーの強烈な香りは見事なヘルシー成分!抗菌&殺菌・食欲増進・疲労回復
4.その他、パクチーが示す驚きの効果や効能
① 免疫力アップ効果
② 血液サラサラ・血管疾患予防の効果
③ 高血圧予防の効果
④ 骨や歯を丈夫にする効果
⑤ 体臭 (口臭・加齢臭など) 予防の効果
5.パクチーの効能まとめ
6.パクチー関連記事のご紹介
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1.強力なデトックス効果 ― パクチーを食べて有害金属を即排出!
「デトックス」とは、簡単に言えば、
体内に溜まった老廃物や有害物質を外に出す作用全般のこと。
お通じを促して速やかに便を出してくれる食物繊維も、大変効果的なデトックス食材の一つと言えますね。
近年では特にこの「デトックス」の重要性が世界的にも多くの人に認識されるようになりました。
食物繊維やビタミン類を多く含んだ野菜や果物類で、フルーツウォーターやグリーンスムージーを毎日手作りして飲んでいる女性の方も多いようです。
その一方で、最近では「デトックス」と言うと、特に
ヒトの体に有害な重金属類を排出する力を指すようになっています。
亜鉛・ケルセチン・セレニウム・硫化アリルなど、ある種のミネラルや辛味成分には、水銀・鉛・アルミニウム・カドミウム といった有害金属をデトックスする作用の強いものが存在します。
デトックス効果の高い食材としては、ケルセチンや硫化アリルを多く含む
玉ねぎ、セレニウムを多く含む
長ネギ、ニラ、にんにく等が特に有名です。
また、近年注目のミネラル
“亜鉛”の含有量が高いものとしては、
スーパーフードと呼ばれる チアシードやモリンガがあります。
※ 参考記事はこちら
●チアシードとは?驚きの栄養価とダイエットに効果的な食べ方を100%解説します。
●モリンガで1日1分!確実に効果のある便秘&野菜不足の解消法
そして、今回ご紹介する
パクチー も大変優れたデトックス作用を持つことが、最近の科学的研究で明らかになってきました。
特にパクチーには、なんと
放射性物質まで排出する力があるそうです。
私たち現代人の体には特に、水銀やヒ素など有害な金属が溜まっていると言われます。
折しもタイやベトナム等のエスニック料理が今、ブームです。
原発事故など食物の放射能被害も気になる中、パクチーへの世間の注目度も一層高いものがあるようです。
私たち日本人も、
パクチーの卓越したデトックス力で、心身ともにすっきりとした毎日を送りたいものですね。
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2.抗酸化作用は野菜・豆・果物の中でもトップレベル!人はパクチーで若返る
女性にとって大切な
美容・美肌・アンチエイジングには、
皮膚や細胞の酸化を防ぐことが欠かせません。
血液サラサラで健全な代謝力を維持し、体の内側からすっきりとダイエットしつつ、生活習慣病を予防して健康で幸せな毎日を過ごすためにも、血管や内臓を活性酸素の攻撃から守ることが必要不可欠です。
日本人の3大死因は
ガン(癌)、心疾患、脳卒中です。
これらは全て、過酸化脂質によるDNA破壊から起こる細胞変異、あるいは悪玉コレステロールが酸化されて発症する動脈硬化に起因する、
活性酸素由来の生活習慣病です。
他にも
糖尿病、肝硬変、高血圧、アレルギーなど、現代人に特異的に蔓延している病気のほとんどが、
細胞や血液を酸化して炎症反応を引き起こす活性酸素が主要な要因であるとさえ言われます。
ヒトの体内には、活性酸素を還元して無害な物質に戻す
酵素があらかじめ存在し、私たちの内臓や血管の酸化をできるだけ抑えるべく作用しています。
しかし、現代のように
食品、大気、住居、タバコ、紫外線、電磁波まで、ありとあらゆる化学物質や活性酸素を発生させる環境に取り巻かれたライフスタイルでは、からだ本来の自浄作用のみではとても間に合いません。
ですので、ポリフェノールやカロテノイド、ビタミン類やミネラル類など、食品や飲み物で体外から抗酸化成分を積極的に取り入れ、体内に生じた活性酸素をできるだけ早く取り除くことが大切なのです。
別記事で詳しくまとめてありますが、
パクチーは緑黄色野菜の中でも
断トツの抗酸化力 を誇ります。
ポリフェノールの“イソフラボン”で名高い代表的な抗酸化食品
「大豆」と同レベルの活性酸素除去能を持っています。
ストレスもまた、重大な活性酸素の発生要因です。
連日のお仕事など、精神的な疲れや不調が続いている方は、パクチーを日々の食事に取り入れてみると改善の可能性があります。
パクチーにはまた、香り成分によって心を落ち着かせ、リラックスさせてくれる効果もあります。
3.パクチーの強烈な香りは見事なヘルシー成分!抗菌&殺菌・食欲増進・疲労回復
パクチーは古くからその著しい効能がよく知られていました。
原産の地中海沿岸
(古代エジプト、ギリシャ、ローマ) ばかりでなく、南米、インド、中国、東南アジアなど広い地域で、野菜や香辛料としてのみならず、薬としても用いられてきました。
特に
清涼感のある強い香りで、
薬効の高いハーブとして民間医療にも重用されました。
パクチーのあの独特の香りは、7割近くを占める
「リナロール」やバラの芳香としても名高い
「ゲラニオール」をはじめ、10種類以上の成分によって成り立っています。
パクチーの香り成分の効果としては、主に次のようなものがあります。
① 消化器官の活性化 ― 食欲増進・消化促進・健胃効果・整腸作用
② 抗菌&殺菌・抗ウィルス・抗感染・消臭の効果
③ 鎮痛・抗炎症の効果
④ 抗うつ・抗不安・鎮静・リラックス効果
⑤ その他―血行促進、肌の保湿、女性ホルモン分泌促進、高血圧予防、抗がん効果…etc.
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詳しくは
別記事で解説していますので、ぜひご覧くださいね。
「カメムシの臭い!」なんて
敬遠していると損をするということが、よく分かると思いますよ(^^)
4.その他、パクチーが示す驚きの効果や効能
① 免疫力アップ効果
パクチーには、
豊富なビタミンCやβカロテンで免疫力を向上させてくれる効果があります。
ビタミンCは、
インターフェロンというタンパク質をつくるのに欠かせない協同因子となります。
インターフェロンとは、外から入ってきたウィルスを退治する免疫物質です。
またβカロテンは、
体内でビタミンAに変換され、各器官の粘膜を丈夫に保つ効果があります。
口・鼻・肺などの呼吸器官、胃・腸など消化器官、腎臓・膀胱など泌尿器官が細菌やウイルスに感染するのを防ぎ、病気にかかりにくくしてくれます。
② 血液サラサラ・血管疾患予防・肥満予防の効果
パクチーの葉には
「コリアンドリン」と呼ばれる化学物質が含まれています。
そしてこのコリアンドリンには、
脂肪の代謝の調節を促してコレステロールの量を減らす働きがあるということです。
「Plant Food for Human Nutrition」という
海外の専門誌に発表された研究結果によると、高コレステロール・高脂肪の食事をさせているラットにおいて、パクチーの種子もエサとして与えると、ラットの体内の中性脂肪と悪玉コレステロール値が大きく減少したと言います。
ラットの肝臓内で、コレステロールから胆汁酸への合成が促進し、胆汁酸及びコレステロールから分解された中性ステロールの割合が、排出された便の中に増加していたそうです。
これらはコリアンドリンがコレステロールを含む脂肪の代謝を調整した結果だと考えられるので、そのコリアンドリンを種子同様に多く含む
パクチーの生葉にも、同じ効果が期待できると言えるでしょう。
さらにパクチーには、上述したように
大変強い抗酸化作用があります。
豊富な
ビタミンC、β-カロテン、そして
強力なデトックス力によって、私たちの体内の活性酸素を大幅に減らします。
結果、コレステロールが酸化されて血管が炎症を起こすのを防ぎ、動脈硬化を予防して、
血管を若々しく丈夫に保ってくれるのです。
さらにパクチーに多く含まれる
硫化アリルには、糖質の代謝を促して血糖値を下げるビタミンB1の吸収を助ける、血液中の脂質を分解して血液をきれいにする効果があります。
これらの作用で、
パクチーは血液をサラサラにする効能も非常に大きいのです。
また、脂肪や糖質の代謝を助けるということは、
肥満やメタボの防止にも繋がります。
美肌の維持・生活習慣病予防・さらにはダイエットにも、パクチーは大変おすすめです。
③ 高血圧予防の効果
依然として日本人に多い、高血圧。
高血圧の主要な原因の一つに
“塩分 (ナトリウム) の過剰摂取”が挙げられることは、あなたもご存じだと思います。
現代のように味付け濃厚の洋食スタイル、外食・コンビニ・加工食品・ファストフードなど食ビジネス依存型の食生活が主体となると、体内のミネラルバランスが崩れて血圧が上がってしまうのもうなずけます。
体内に多すぎるナトリウムの排出を促し、ナトリウムと拮抗してこのミネラルバランスをうまく保ってくれるのが、ナトリウム同様に必須ミネラルの一つである
カリウム。
パクチーは、このカリウムをとても多く含んだ食材としてもよく知られています。
なんと、地上で最も栄養価の高い果物とも言われる
アボガドよりもカリウムの量が多いんです。
ちょっとびっくりしませんか? (° ▽ °;)
高血圧予防のための効果的なパクチーの食べ方は、下の
別記事で詳しくご紹介しています。
④ 骨や歯を丈夫にする効果
パクチーに多く含まれる栄養成分のうち、特に骨や歯を丈夫にする効果に関与するものとしては、
●ビタミンK (100g当たり 310μg)
●カルシウム (同じく 67mg)
●マグネシウム (同じく 26mg)
この3つが挙げられるでしょう
(数値については、植物ですので個体差があります)。
また、カルシウムやマグネシウムとともに骨や歯の主要な構成材料となる
“リン”も、パクチーには100g当たり
47mg 含まれています。
これらの具体的な働きについては、
別記事に詳しくまとめてあります。
まさに
「万能健康野菜」パクチーを上手に毎日の食事に取り入れて、優れたデトックス力や抗酸化効果とともに
骨粗しょう症予防にも活用してくださいね (^^)
⑤ 体臭 (口臭・加齢臭など) 予防の効果
上に述べたようにパクチーは、
大豆にも負けず劣らずの強力な 抗酸化力を持っています。
体内の活性酸素を除去して皮脂や老廃物の酸化を防ぎ、脂肪酸やアルデヒドといった臭いの元となる物質の発生を抑える効果があります。
特に加齢臭は、皮脂成分の一つであるパルミトレイン酸が酸化して生じる、
「ノネナール」というアルデヒド類の一種が原因です。
加齢臭や腋臭
(わきが)、汗の臭い、オイリーな皮膚の臭いが気になる方は、
パクチーを普段の食事に取り入れるのも有効な対策の一つです。
また、パクチーの香り成分には
抗菌&殺菌作用がありますので、毎日食することで歯周病や口臭を予防する効果も期待できます。
5.パクチーの効能まとめ
効果・効能 | 関連する栄養成分 |
デトックス 効果 | 成分は不明 |
アンチエイジング効果 (抗酸化作用) | デトックス成分(詳細不明)、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE |
更年期障害の予防 (女性ホルモン分泌促進) | 香り成分(ゲラニオール) |
体臭・口臭・加齢臭の 予防効果 | 香り成分(リナロール、ゲラニオール他)、デトックス成分(詳細不明)、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE |
食欲増進・整腸作用・健胃作用・消化器官の活性化 | 香り成分(リナロール、ゲラニオール他) |
鎮痛・抗ストレス・リラックス 効果 | 香り成分(リナロール、ゲラニオール他) |
美肌 効果 | 香り成分(ゲラニオール)、ビタミンC |
血液サラサラ・血行促進・中性脂肪&コレステロール値低減、動脈硬化の予防 | 香り成分(リナロール)、コリアンドリン、デトックス成分(詳細不明)、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、硫化アリル |
高血圧の予防 | 香り成分(リナロール)、カリウム |
抗がん効果 | 香り成分(ゲラニオール)、デトックス成分(詳細不明)、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、 |
免疫力アップ効果 | ビタミンC、β-カロテン |
骨や歯を丈夫にする効果 | ビタミンK、カルシウム、マグネシウム |
パクチー=コリアンダーは、古代から医療に用いられるなど大変歴史が古いにも関わらず、
その栄養的価値が改めて見直されたのは世界的にもつい最近のようです。
したがってまだまだ研究の途上であり、健康上の優れた機能が次々と明らかになってきてはいますが、
その仕組みや成分の詳細については不明な点も多いようです。
上にまとめた他、注目に値する科学的研究報告としては、以下のようなものがあります。
●パクチーが肌の角化細胞(ケラチノサイト)が負ったダメージを修復。
紫外線などさまざまな酸化ストレスから肌を保護する作用のあることが、韓国の大学の研究で明らかになった。
●パクチーの成分が、大腸菌・サルモネラ菌・セレウス菌・黄色ブドウ球菌 (MRSA)等の増殖を抑えることが、ポルトガルの研究で明らかに。
●パクチーがウィルス性肝炎などから生ずる肝毒性を弱めることが、エジプトの研究で明らかに。
また、パクチーは肝臓の脂肪を減らし、肝機能の低下を抑制する作用のあることがインドの研究で判明。
●香辛料のコリアンダーを多く使うアジアの国々では、欧米と比較して、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、髄膜炎など神経に由来する慢性炎症の疾病が少ない。
コリアンダー等の香辛料に神経変性疾患を予防する作用がある可能性を、テキサス大学が研究結果から指摘。
●パクチーに心疾患などで傷ついた心臓の筋肉を修復する働きのあることが、インドの研究で明らかに。
●パクチーが細胞のDNA損傷を修復し、ガンを予防する作用を持つことが、マレーシアの研究で判明。
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…等々、実に多彩です。
特に、
一度傷ついた細胞や体内器官を修復してくれるというのは、本当に頼もしいですね。
これからも、パクチーの効能を科学的に解明する研究の進展に、大いに期待を寄せたいところです (^^)
6.パクチー関連記事のご紹介
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