前回の記事では、
① 活性酸素とは一体どんなもの? なぜ体に悪いの?
② 抗酸化物質の基本的な効果や効能とは何?
この2つの疑問について、詳しくお答えしました。
今回からは、
抗酸化食品を食べて期待できるより具体的な効果と効能について、見ていきたいと思います。
これは検証しますと数え切れないほどあるのですが、今回は、特にあなたに興味があると思われる次の6つの効果についてご説明いたします。
1.アンチエイジング (老化予防) 2.美肌を守る 3.白髪を防ぐ 4.生活習慣病、その他多くの現代病予防 (免疫力アップ) 5.体臭・加齢臭の予防 6.健康的なダイエットのサポート
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どうしても長くなりますので、
記事を2つに分けてあります。
このうち、
こちらの記事では、
1.アンチエイジング(老化予防)
2.美肌を守る
3.白髪を防ぐ
この3つの効果・効能について、解説しています。
そして、
次の記事で残りの
4.生活習慣病、その他多くの現代病予防 (免疫力アップ)
5.体臭・加齢臭の予防
6.健康的なダイエットのサポート
について解説してあります。
下の
【目次】や
【関連記事のご紹介】を参考にしながら、ご自分に興味のあるところからご覧になれば、読み進めやすいかと思います。
どちらも大切な内容ですので、お時間が許せば、
ぜひ両方の記事をご一読くださいね(^^)
【目次】
★見出しタイトルの一覧です。
ブログの仕様上、リンクはできませんが、スクロールして興味ある個所からご覧ください。
1.アンチエイジング (老化予防) ― 抗酸化作用で若々しい体を維持できるのはなぜ?
① 細胞の老化 ≒ 細胞膜の酸化 ⇒ 細胞の死
② 新陳代謝を妨げ、カラダを老化させる活性酸素
③ 血液を汚し、血管を傷つけて老化させる活性酸素
2.美肌を守る ― 抗酸化力でハリのあるみずみずしいお肌をキープ。
① お肌を黒くする悪役“メラニン”の大切な役割とは?
② シミ・黒ずみ・肌荒れはどうして起こる?
3.白髪を防ぐ ― 抗酸化物質が白髪を黒く染めてくれる!?
4.「活性酸素と抗酸化作用」 関連記事のご紹介
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1.アンチエイジング (老化予防) ― 抗酸化作用で若々しい体を維持できるのはなぜ?
「老化とはすなわち酸化のことである」
と専門家が当たり前に言うほど、活性酸素は、私たちヒトも含めた生命体の老化において、重要な役割を果たしていることが明らかになっています。
活性酸素によって私たちの体の中が錆びつく…とは、一体どういうことなのでしょうか?
① 細胞の老化 ≒ 細胞膜の酸化 ⇒ 細胞の死
私たちの体の細胞が酸化されると、細胞膜を構成する
“リン脂質”が有害な
過酸化脂質 に変質してしまい、細胞の機能が著しく低下してしまいます。
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上図が、細胞膜の拡大イメージです。
上下の水色の玉が鎖で繋がれたようになっている部分が、リン脂質。
その中に、紫や赤の塊が見えますが、これがたんぱく質。
手前の大きな紫色のたんぱく質の断面が、管のようになっているのがお分かりかと思います。
この管を通して、細胞の内と外で、細胞に必要なイオンや栄養素、情報伝達物質など、さまざまな大切な物質が出入りします。
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ご承知のように細胞膜は、
● 細胞の内と外をきちんと分け隔て、細胞外の物質が侵入したり細胞内の物質が外に漏れ出たりしないようにし、一つの細胞として独立した機能を守る。
● 細胞にとって必要な栄養分を外から細胞内に取り込み、不要なものや老廃物を細胞の外へ出して、代謝器官である肝臓まで運んでもらうため血管の流れに乗せる。
● 細胞同士で協力し、体の各器官として正常に機能するため、必要な情報やメッセージのやり取りをする。
そのために、いろんなホルモンやサイトカインといった神経伝達物質を、細胞内外で出し入れや受け渡しをする。
…等々、私たちの生命を守るためにとても重要な働きをしています。
そしてこれらがきちんと機能するためには、細胞膜を形づくるリン脂質の
柔軟性や流動性が常に維持されることが不可欠なのです。
余談ですが、これが、肉や乳製品に多い飽和脂肪酸 (常温で固体) よりも、魚類や植物性油脂に多い不飽和脂肪酸 (常温で液体) のほうがヘルシーだと言われる大きな理由ですね。
細胞膜を構成する脂質が、飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸の割合が大きければ大きいほど、細胞膜の柔軟性や流動性が高まり、細胞がよりスムーズに活発に機能できるようになるからです。
話を元に戻しますが、上の図のように、細胞膜に浮かんでいる複数の
タンパク質が、さまざまな大切な物質が出入りするためのドアの役目を果たしています。
このとき、細胞膜に流動性があれば、これらのタンパク質がある程度自由に場所を変えることができ、必要な物質を必要に応じて臨機応変に出し入れできるのです。
また、細胞自体が柔軟かつ流動的に動けることで、私たちのカラダ、すなわち血管・筋肉・皮膚・内臓等も若々しいしなやかな動きや働きが可能になります。
そうすると、血管は弾力を増し、拡張や収縮などの機能もよりスムーズになり、酸素や栄養素を全身に隈なく送って老廃物を速やかに外に出すという
代謝力もアップします。
その結果、摂取する栄養素がより効率的に新陳代謝やエネルギー生産に使われるようになります。
すると
カラダの生まれ変わりが促進され、皮膚も常にみずみずしさや若々しさを保ち、内臓は多少疲労してもすぐに回復し、また元気に働いてくれるようになるというわけです。
ところが細胞膜のリン脂質が活性酸素によって酸化されてしまうと、細胞膜は流動性を失って硬化し、上述したようなさまざまな大事な機能がうまく果たせなくなってしまいます。
そうすると、細胞として正常な活動ができなくなり、ついには
細胞自体の死に繋がっていくのです。
② 新陳代謝を妨げ、カラダを老化させる活性酸素
私たち人間が、呼吸から得た酸素を全身に運び、各細胞で糖や脂肪を燃焼して生きるためのエネルギーを得ているのはご存じですね。
このエネルギーを使うことで、私たちは内臓の動きや体温調節ばかりでなく、運動や仕事などさまざまな日常生活を行うことができます。
けれどもまた一方で、私たちの体は、このエネルギーを利用して食事で得たアミノ酸など栄養素からタンパク質を合成し、筋肉や内臓など各器官に必要な部分をつくっています。
一方、古くなった部分は、便、尿、汗、アカ、髪、爪などの形で老廃物として体外に排出されていきます。
呼吸で得た酸素と食事で得た栄養素を用いて、新しい細胞を古い細胞に入れ替えてカラダを新しくしていく。
この一連の流れが、
代謝=新陳代謝です。
つまり代謝とはカラダの生まれ変わりのことであり、新陳代謝が活発なほど体細胞の新旧が入れ替わるサイクルが早いので、常に若々しい体を維持することができるわけです。
しかし体内に活性酸素が多く、多くの細胞が酸化されていると、糖や脂肪を効率よくたくさん燃焼することができなくなります。
このようにエネルギーの産生が滞ると、新陳代謝も進まなくなり、細胞の生まれ変わりが妨げられて体が老化していきます。
③ 血液を汚し、血管を傷つけて老化させる活性酸素
また、細胞が活性酸素に酸化されて細胞内でのエネルギー代謝が進まないと、食事で取ったカロリーが脂肪として体内に溜め込まれていきます。
そうすると、血液中にもたくさんの中性脂肪やコレステロールが流れることになり、血液がドロドロになって末梢血管にまで酸素や栄養素がうまく行き渡らなくなります。
増えた血中コレステロールが活性酸素に酸化されると、有害な異物と見なされて免疫細胞による捕食の対象となり、血管に炎症を起こしたり動脈硬化の原因にもなります。
(詳しくは下の『③ 生活習慣病、その他多くの現代病予防 (免疫力アップ)』で後述します)
このように血管が傷つき狭くなると、なおさら酸素や栄養素の運搬にも支障が出てきて、代謝が進まず体が老化していくというわけです。
こうして見ると、
活性酸素がいかにカラダ全体の老化を早めるかが分かると思います。
ですので、この活性酸素を少しでも減らしてくれる抗酸化物質を積極的に摂ることが、老化防止、すなわちアンチエイジングに密接に繋がってくるのです。
2.美肌を守る ― 抗酸化力でハリのあるみずみずしいお肌をキープ。
① お肌を黒くする悪役“メラニン”の大切な役割とは?
紫外線がシミや肌荒れの原因となるのはご存じですね。
シミは、
メラニンという黒い色素が肌に沈着することによって生じます。
このメラニンは、紫外線を受けるとメラノサイトと呼ばれる色素細胞で大量に生産され、皮膚の表面を覆うように現れて、
他の肌細胞を有害な紫外線から守ります。
メラニンは紫外線そのものから肌を覆う働きもしますが、同時に紫外線を浴びて生じる活性酸素からも、他の肌細胞を保護しています。
紫外線は有害な物質なので、紫外線を肌に受けると、免疫細胞は体を守ろうと活性酸素をたくさんつくり出します。
しかしその過剰な活性酸素が他の健康な肌細胞を攻撃すると、細胞膜が酸化され、肌本来の正常な機能も衰えます。
肌には、
● 外からの物理的衝撃やウィルス等から体を守るバリア&クッション機能
● 体内の水分を保つ保湿機能
● 発汗や毛細血管の収縮による体温調節機能
● 汗や皮脂などを分泌する排泄機能
…等々さまざまな機能があるため、
肌の健康を維持することは体にとっても非常に大切なのです。
さらに、細胞膜の酸化によって
DNAが損傷を受けると、
皮膚ガンを生じる可能性すら出てきます。
そんなとき、メラノサイトから多量に生産されたメラニンが、
他の肌細胞に代わって活性酸素から酸化を受けることによって、他の肌細胞に少しでも影響が及ばないようにしています。
つまり
自らが犠牲になって皮膚の健康を守るのが、メラニンの役割です。
② シミ・黒ずみ・肌荒れはどうして起こる?
強い陽射しを受けると肌が黒くなるのは、メラニンが紫外線や活性酸素の害を防いで、お肌の正常な機能を守ってくれた証拠です。
けれどもこうして、皮膚の表層にメラニンが増え、肌の色は黒くなってしまいます。
通常はこのように“日焼け”しても、
新陳代謝によって新しい肌に生まれ変わり、やがてまた元のきれいな肌の色に戻ります。
しかし、あまりにも活性酸素による酸化が激しくてメラニンが多い場合や、お肌が酸化されて代謝力が低下している場合などでは、
新陳代謝によっても沈着したメラニンを排出しきれず、黒ずみとなって残ってしまうケースも出てきます。
これがいわゆる
「シミ」ですね。
年を取るにしたがってシミが増えるのも、加齢によって新陳代謝が弱まってくるからです。
また、肌細胞の細胞膜が酸化されて過酸化脂質となったところへメラニンが沈着してしまうと、
過酸化脂質は代謝によっても体外へ排出されることが滅多にないため、そこに溜まったメラニンの黒ずみも消えることがありません。
さらに肌細胞の
コラーゲンや
エラスチンが酸化されてしまうと、保湿力が弱まって皮膚の弾力を失い、カサカサの乾燥肌となりシワも増えます。
お肌の防御力も奪われ、炎症も起きやすくなるのです。
このような肌荒れは、単に美容の敵となるだけでなく、上に述べたような
大切な肌機能の低下にも繋がってきますから、からだ全体の健康にも影響が出てきます。
日頃から
野菜をはじめとする植物性食品をしっかりと食べ、抗酸化物質をたっぷり摂って活性酸素を少しでも多く減らすことが、ツヤとハリのある美しいお肌を保つ大きな秘訣です。
3.白髪を防ぐ ― 抗酸化物質が白髪を黒く染めてくれる!?
白髪もまたアンチエイジングの天敵ですが、やはり
活性酸素が白髪を増やす大きな一因となります。
髪の毛の根元にある「毛母細胞」が、新しい毛髪を日々つくり出しているために、髪の毛は少しずつ伸びてきます。
しかし毛母細胞から生まれたばかりの髪の毛にはまだ色が付いておらず、つまりは“白髪”の状態です。
そして、この毛母細胞の周りにあるメラノサイト細胞がメラニン色素をつくり出し、新しい白髪に色を付けて黒い髪にしていくわけです。
ところが頭皮に活性酸素が増えすぎると、黒い色素のメラニンをつくり出すのに必要な酵素を酸化し、その働きを阻害してしまいます。
こうして髪の毛を黒くすることができなくなり、白髪が増えてしまうというわけです。
抗酸化成分によって頭皮の活性酸素を退治すれば、それだけメラニンが正常につくられることとなり、白髪も減らすことができるのです。
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※ 「生活習慣病・現代病の予防効果」「体臭・加齢臭の予防効果」「健康的なダイエットのサポート効果」について詳解しています。ぜひ次の記事もご覧ください(^^)
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