前回の記事に続き、
抗酸化食品を食べて期待できるより具体的な効果と効能についての解説です。
前回は、
① アンチエイジング(老化予防)
② 美肌を守る
③ 白髪を防ぐ
この3つの健康&美容の効果・効能について解説しました。
今回は続いて、
④ 生活習慣病、その他多くの現代病予防(免疫力アップ)
⑤ 体臭・加齢臭の予防
⑥ 健康的なダイエットのサポート
この3つの効果と効能について詳しく解説していきます。
【目次】
★見出しタイトルの一覧です。
ブログの仕様上、リンクはできませんが、スクロールして興味ある個所からご覧ください。
1.生活習慣病&現代病予防 ― 免疫力アップには活性酸素を減らす抗酸化作用が不可欠
① ガン・糖尿病・動脈硬化・心疾患・脳卒中・高血圧…恐ろしい病気を引き起こす活性酸素
② 脳や神経の病気にも、活性酸素が関与!
③ 現代のあらゆる難病の9割方は、活性酸素が原因だと言われます。
2.体臭・加齢臭の予防 ― 抗酸化物質は代謝を高め、皮膚もキレイに保ってくれます。
① 体臭はどうやって生じるの?
② 加齢臭の成分は何?
③ 活性酸素が新陳代謝を低下させ、さらに体臭を放つ悪循環に
④ 加齢臭や体臭を防ぐには、一体どうしたらいいの?
3.健康的なダイエットのサポート ― ダイエット成功の秘訣は、ストレスや運動による○○を抗酸化力で減らすこと!
① 基礎代謝とは? 活性酸素で基礎代謝力が落ちるとダイエットできない体質に…
② 新陳代謝とは? 活性酸素で新陳代謝が弱まるとダイエットできない体質に…
③ 抗酸化食品は代謝力を高めるだけでなく、他にもダイエットに欠かせない大切な栄養素をたくさん含んでいます。
4.抗酸化食品の効果・効能まとめ
5.「活性酸素と抗酸化作用」 関連記事のご紹介
|
1.生活習慣病&現代病予防 ― 免疫力アップには活性酸素を減らす抗酸化作用が不可欠
① ガン・糖尿病・動脈硬化・心疾患・脳卒中・高血圧…恐ろしい病気を引き起こす活性酸素
活性酸素は、さまざまな生活習慣病やアレルギー、神経性の病気など、いま世界的に急増している深刻な現代病のほとんどに密接に関連していると言われています。
例えば…ここ35年来、ずっと日本人の死因第1位を占め続けている
ガン(癌)。
体を構成する細胞が活性酸素で酸化されると、細胞膜が過酸化脂質に変質して細胞の機能が著しく低下するのみでなく、場合によっては
DNAが損傷を受け、ガン細胞に変異してしまいます。
|
【動脈硬化の進行図】
①正常な血管と血液の状態。極めてスムーズに血球が流れていますが、
②では、酸化されたコレステロールを免疫細胞のマクロファージが捕食し、その死骸が血管壁に沈着して血管を狭くし始めます。
③そこにさらに酸化コレステロールを食べたマクロファージの死骸が重なって溜まり、ついには血管を詰まらせて血液の流れを塞いでしまいます。
|
また、日本人の約5人に1人が発症すると言われる
糖尿病。
ブドウ糖を酸素で燃やしてエネルギーを生産する、細胞内の
“ミトコンドリア”という器官が活性酸素の攻撃を受けると、ミトコンドリアが変質してエネルギー生産が滞り、血液中のブドウ糖も消費されなくなって糖尿病を引き起こすケースがあります。
インスリンを産出している膵臓の
「ランゲルハンス島」という内分泌腺組織もまた、活性酸素の攻撃に非常に弱く、ここが酸化ダメージを受けるとインスリンの産出も減って血糖をコントロールできなくなり、やはり糖尿病に繋がっていきます。
さらに、死因第2・3位を占める
心疾患や脳卒中など血管疾患。
左図のように、血管内のコレステロールが活性酸素に酸化されると、免疫細胞である
マクロファージに貪食され、それらの死骸が血管にこびりついて血管を狭く、そして硬くしてしまいます。
そうすると、動脈硬化を発端に血管を詰まらせ、心不全や脳梗塞など命に関わる重篤な血管の病気を引き起こすわけです。
② 脳や神経の病気にも、活性酸素が関与!
アルツハイマー症、認知症、パーキンソン病など、
脳や神経に関わる病気も、活性酸素との深い関連が明らかになっています。
アルツハイマー症は、脳内の酵素が酸化されるなどして異常に増加した有毒なβタンパク
(アミロイドβ) が、さらに活性酸素を発生させて神経細胞を殺し、脳機能に障害が出るのではないかと疑われています。
脳出血性認知症の場合は、活性酸素の引き起こした血管炎症を原因とする動脈硬化、脳梗塞により、脳の神経細胞に酸素や栄養が行き渡らず細胞がダメージを受け、発症します。
パーキンソン病は、ドーパミンという神経伝達物質が減ることで脳内の情報伝達が滞り、手足や筋肉の運動に障害が出る病気ですが、これもまた、活性酸素によって神経細胞が破壊されることが原因ではないかとされています。
③ 現代のあらゆる難病の9割方は、活性酸素が原因だと言われます。
他にも、白内障、リウマチなど関節炎、アトピー、肝硬変、クローン病、自己免疫疾患など、
数え切れないほど多くの“現代病”や生活習慣病が、活性酸素に起因し、病気の進行にも密接な関わりがあると言われているのです。
私たち現代人は、活性酸素を生じさせやすい食事や生活スタイルが多く、しばしば強い酸化ストレスにさらされがちです。
食事や運動など生活習慣の改善を極力心がけましょう。
特にデスクワーク・オフィスワークの方は、慢性的な運動不足に陥りがちです。
自分に合った適度な運動を、日常的に取り入れるようにしましょう。
それとともに、現代人の摂取量が少なくなっていると言われる
野菜・果物・豆類・海藻・ナッツなどの植物性食品≒抗酸化食品を積極的に摂ることが、細胞の酸化を防ぎ、血液をきれいにして血管や内臓を健康に維持し、上記のような
さまざまな病気の予防に直結するのです。
2.体臭・加齢臭の予防 ― 抗酸化物質は代謝を高め、皮膚もキレイに保ってくれます。
① 体臭はどうやって生じるの?
40歳を過ぎると、ワキガなどの体臭や加齢臭も気になり始めますが、これもまた活性酸素が大いに関係します。
体臭が発生する原因には、一般的に2通りあります。
一つは、汗・アカ・皮脂などを栄養として
細菌が繁殖し、嫌な臭いを出すパターン。
そしてもう一つは、
皮脂が酸化され、アルデヒド類のような悪臭を放つ成分がつくられるパターンです。
② 加齢臭の成分は何?
特に
加齢臭は、9-ヘキサデセン酸
(別名:パルミトオレイン酸) と呼ばれる脂肪酸が、皮膚の常在菌や過酸化脂質で分解されて生じる
「ノネナール」という成分が主な要因です。
過酸化脂質は、皮膚細胞の細胞膜が活性酸素に酸化されて生成します。
またノネナールの他にも、
“ペラルゴン酸”や
“ジアセチル”等の成分が、加齢とともに現れる「おやじ臭」の原因であるとされています。
いずれにしても、皮脂や汗などの分泌が多い中年男性は特に、細菌や過酸化脂質によるそれら老廃物の酸化分解が促進され、一般的に嫌な体臭を放ちやすくなります。
③ 活性酸素が新陳代謝を低下させ、さらに体臭を放つ悪循環に
皮膚に細菌が繁殖するのも、元はと言えば皮膚の新陳代謝
(ターンオーバー) が弱まるため。
皮膚が活性酸素に酸化されると、正常な細胞機能が著しく妨害され、代謝に必要なエネルギーの生産力も落ちるので、新陳代謝も進まなくなってしまいます。
代謝力が落ちると、汗やアカ、古い角質が毛穴や皮脂腺の出口を詰まらせ、そこにますます活性酸素を発生させます。
活性酸素は過酸化脂質を生み、過酸化脂質はそこに溜まった古い皮脂や老廃物をどんどん酸化分解していきます。
また老廃物は、細菌の格好のエサとなりますから、常在菌も次々と繁殖し
、さらに体臭をエスカレートさせる悪循環を生み出していくのです。
④ 加齢臭や体臭を防ぐには、一体どうしたらいいの?
加齢臭の元となるノネナールを生み出す
9-ヘキサデセン酸 (パルミトオレイン酸) は、若い人の肌にはほとんど見られない脂肪酸です。
加齢に伴い、悪い臭いを醸す成分が少しずつ体に蓄積されるのは、ある程度は仕方がないかもしれません。
しかし、
脂っこい食べ物を控える、ビタミンやポリフェノールといった
抗酸化成分を多く摂るなど、できる範囲で食生活を改善しましょう。
それとともに、適度な運動を日常生活に取り入れ、
飲酒やタバコを控えるなど、
活性酸素をなるべく体内に発生させないライフスタイルを意識して実践することが大切です。
ちみなに“加齢臭”と言うと主に男性の方をイメージするかもしれませんが、
ノネナールは女性にとっても閉経後に増加しやすい成分です。
特に汗をかきやすい女性の方は、化粧品の成分とも相まって独特の強い臭いを放つことがあります。
自分の体臭をごまかそうと、たくさんの香水や化粧水を付けすぎるのはタブーです。
皮膚上の毛穴や皮脂腺を塞いでしまい、
なおさら老廃物の酸化分解を促してしまう恐れが大です。
「食べるものが人間の体をつくる」と言います。
日頃の食生活に注意を払い、肉や乳製品、甘い食べ物は控え、食物繊維を多く摂ることで活性酸素を減らし、時間をかけて腸内や血管の内側から体をきれいに健康的にしていくよう心掛けましょう。
やはり、
一汁三菜を基本にした昔ながらの和食が、最も抗酸化力に優れた健康的な食事として、いちばんのオススメです。
3. 健康的なダイエットのサポート ― ダイエット成功の秘訣は、ストレスや運動による○○を抗酸化力で減らすこと!
あなたも今、女性らしいor男性らしい素敵な体型を手に入れようと、ダイエットに取り組んでいる最中かもしれませんね。
そんなダイエット中の方には特に、活性酸素を除去する抗酸化食品の摂取をおすすめします。
なぜなら、
ストレスや活発な運動もまた、活性酸素の大きな発生要因となるからです。
いくら運動や食事制限に努力しても、その精神的ないらだちや体力の消耗で活性酸素を増やしてしまっては、基礎代謝も新陳代謝もともに低下してしまい、順調に痩せることができません。
① 基礎代謝とは? 活性酸素で基礎代謝力が落ちるとダイエットできない体質に…
基礎代謝とは、呼吸、心臓の鼓動、胃腸の動き、体温維持、発汗作用など、人間が生きていくのに最低限必要な体の活動に使われるエネルギー消費のことです。
この基礎代謝のために必要なエネルギー生産は、細胞内にある
ミトコンドリア (左イメージ図) という器官で、酸素を利用して栄養素を分解して行われますが、細胞が酸化されるとこのミトコンドリアの活動も滞ってしまいます。
また、
活性酸素で血管が炎症を多発していると、動脈硬化やドロドロの血液のために全身への酸素や栄養素の運搬がスムーズに行えず、細胞のエネルギー生産がはかどりません。
そのため、基礎代謝力や筋肉のカロリー消費量も落ちてしまい、運動をしてもなかなか痩せられない体質になってしまいます。
② 新陳代謝とは? 活性酸素で新陳代謝が弱まるとダイエットできない体質に…
一方、
新陳代謝とは、古い細胞が死んで新しい細胞が生まれ、 体の筋肉や血管、器官など各部が一定のサイクルで新たにつくり代わっていくことを指します。
私たちの体も生きていますから、常に若々しい細胞が活発に機能して正常な体の組織を維持できるよう、部分ごとに“生まれ変わり”を繰り返しているのです。
|
【細胞内でアミノ酸からタンパク質を合成】
アミノ酸のタンパク質への合成は、細胞内の「リボゾーム」という器官で行われます。
上図のように、細胞核のDNAからメッセンジャーRNA(mRNA)が引き出してくる遺伝子情報に従って、トランスファーRNA(tRNA)が所定のアミノ酸を運んできます。
そして“コドン”と呼ばれる暗号に沿って、tRNAがmRNAに結合。
リボゾームの組織内でアミノ酸を受け渡し、アミノ酸は順次、鎖状に繋がれていきます。
これが、新たに体の器官や部分をつくる元となる「ペプチド鎖(タンパク質)」です。
アミノ酸を受け渡した空っぽのtRNAは排出され、再び必要なアミノ酸を運んできます。
|
そしてそのためには、先述の
細胞内器官 (ミトコンドリア) が産生するエネルギーを利用し、食事から摂取して血管を通して送られてくる
アミノ酸という単純な栄養素を、
人間の体の一部となるような複雑なタンパク質に合成する作業が必要です。
ところがこれも活性酸素で細胞が酸化されてしまうと、ミトコンドリアの働きも阻害され、このタンパク質合成に必要なエネルギーを得ることができません。
また、細胞の機能が全体的に低下するため、タンパク質への合成作業それ自体が滞りがちです。
さらに血管の酸化によって血の巡りが悪いと、アミノ酸などの単純な栄養素がきちんと細胞に運ばれず、ここでも新陳代謝の働きが鈍くなる原因となってしまいます。
新陳代謝=細胞の入れ替わりが活発に行われなければ、当然ながら古い体をそぎ落とすことができず、ダイエットしてもなかなか痩せることができません。
いくらタンパク質の多い食品を摂っても、新陳代謝による新しい筋肉や血管、内臓の材料とならなければ、
あとは中性脂肪に変換されて皮下脂肪や内臓脂肪となり、無駄に体内に蓄えられて太っていってしまうばかりです。
③ 抗酸化食品は代謝力を高めるだけでなく、他にもダイエットに欠かせない大切な栄養素をたくさん含んでいます。
このように、ダイエットを順調に進めるためには、基礎代謝力も新陳代謝力も通常と変わらず維持することが大切なのです。
そのためには、運動や食事制限など基本的なダイエット法を実践するだけでは足りません。
そこに伴う
ストレスや体力低下で増加しがちな活性酸素を減らし、せっかくの汗と努力に見合う効率的なカロリーの消費にうまく繋がるよう、日頃の生活習慣そのものの見直しと改善が必要なのです。
野菜・果物・豆類・海藻・ナッツ等の抗酸化食品は、特にダイエット中には意識して多めに食べましょう。
単に活性酸素を体内から除去してくれるだけでなく、同時に
ビタミン・ミネラル・食物繊維など、体に必要な栄養素をバランスよく摂ることに繋がるからです。
ビタミンやミネラルで体内機能の正常化に必要な酵素の働きを助け、食物繊維で腸内環境を改善できるなど、ダイエット中でも栄養の偏りを予防して健康的に痩せることを力強くサポートしてくれます。
4.抗酸化食品の効果・効能まとめ
1.アンチエイジング (老化予防) 2.美肌を守る 3.白髪を防ぐ 4.生活習慣病、その他多くの現代病予防 (免疫力アップ) 5.体臭・加齢臭の予防 6.健康的なダイエットのサポート
|
活性酸素こそが、私たちの体をあらゆる意味で老化=劣化させ、若々しさや美しさを奪うだけでなく、寿命まで確実に縮めてしまう、まさに
“元凶”です。
活性酸素による細胞の酸化を防ぎ、血管や内臓を錆びつかせてしまうことのないように、
野菜・果物・豆類・海藻・ナッツといった、主に
植物性食品≒抗酸化食品を積極的に毎日の食生活に取り入れていきましょう。
5.「活性酸素と抗酸化作用」 関連記事のご紹介
コメント 0