7月末頃からサバの水煮缶の売れ行きが急速に伸び、スーパーなどで軒並み品切れ状態が続いているそうです。
この理由は、7月30日放送の「たけしの健康エンターテイメント」の中で、ダイエットに効果的な食品としてサバ水煮缶が紹介されたからだといいます。
何でも、サバ缶に含まれる不飽和脂肪酸「EPA」が、食欲を抑制し血糖値を下げる「GLP-1」というホルモンの分泌を促すのだそうです。
恐らくこの放送を見て、何とか痩せたいと願っている人たちが飛びついたのでしょう。
水産加工メーカーには注文が殺到しても生産が追いつかず、各店舗も入荷したとたんすぐに売り切れ状態になる「異常事態」に至っていると言うことです。
過去にも、納豆やバナナなど、テレビでダイエットに効く旨の放映がされたため、一気に需要が跳ね上がり、全国的に供給不足に陥った時期がありました。
今回、番組でサバ水煮缶を紹介した大学教授は、後にマスコミの取材に対し、サバ缶を食べれば即痩せるという解釈は間違いで、バランスの取れた食事をしつつ、たんぱく源を肉でなく魚から、特にEPAを多く含む食品から取るのがよい、そのような趣旨の回答をしています。
これら毎回似たような社会現象を目の当たりにするに付け、つくづく、私たちは過去から教訓を得なければならないことだと思います。
結局、ダイエットというのは健康管理の一環であり、従って「これさえあれば」という特効薬もなければ近道もない、毎日の食事に地道に注意を払い、美味しいものを食べすぎる誘惑に負けない努力、運動を続ける努力、外食やコンビニ食に頼らず、ほんの一手間を惜しまずに家庭で料理する心がけ、そのような小さなものの積み重ねの成果であると言えるでしょう。
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