アメリカの女優、ジェニファー・アニストンが、“失読症”であることを告白しました。
“失読症”という言葉を初めて聞く方も多いのではないでしょうか。
あるいは「もっとよく耳にする
“失語症”とはどう違うの?」と疑問に思う方もいると思います。
画像出典:MOVEMENT blog
そこで“失読症”と“失語症”の違いを、大まかにまとめてみました。
【目次】
★見出しタイトルの一覧です。
ブログの仕様上、リンクはできませんが、スクロールして興味あるところからご覧くださいね。
1.失読症とは、どんな症状?
2.失語症とは、どんな症状?
3.“失読症”の秘める特異な可能性とは?
4.失読症の有名人は誰? 天才的な偉人も数々…
5.ジェニファーのトラウマと苦悩…もっと「失読症」に理解を
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1.失読症とは、どんな症状?
先天性の学習障害にあたり、別名『
ディスレクシア』とも呼ばれます。
知能や一般的な理解力には問題がないのに、文字の読み書きやその学習過程で顕著な困難を生じます。
・文字を文章として読めない。
・文字が引っ繰り返って記憶され、単語を正確に覚えられない。
・同じ意味の2つの言葉が同じ意味として理解できない。
このように、一般の人たちには想像しにくい症状であるため、周囲からの理解をなかなか得られずに苦しむケースが多いようです。
左の画像は、失読症の人の、文字の見え方の一例です。
左右がひっくり返っています。
他のものは全て正常に見えるのですが、本や書かれた文字・文章だけがこのように見えるのだそうです。
他にも失読症の見え方としては、
文字が歪んで見えたり、離れてばらばらに見えたり等、大変読みにくい状況に置かれるようです。
この画像は
キッズメンタルねっと「失読症の人が見ている世界ってどんな感じ?」
より引用させていただきました。
こちらのサイトには、他にも失読症による見え方の例が幾つか出ています。
とても分かりやすいので、ぜひ一度、ご覧になってください。
失読症の人の抱えている困難が、実感としてよく理解できます。
2.失語症とは、どんな症状?
主に脳出血や脳梗塞など脳血管疾患により、脳の言語野が冒されるために生じてきます。
「聞く・話す・読む・書く」といったあらゆる
言語機能に障害が出ます。
主に
後天的であるところが、前述の失読症との大きな違いかもしれません。
(一部、例外的に先天性のものもあり)
人間社会で生きるのに不可欠な、
文章や言葉の理解、コミュニケーションに著しい不自由が生じます。
周囲の理解を得にくい以上に、自分自身があらゆる話し言葉・書き言葉を理解できない。
自分の思いを他人に伝えられない。
いわば症状そのものが、本人にとって大きな苦しみであると言えるでしょう。
私たち一般人でも、言語の分からない国に海外旅行に出かけると、
現地の人の話が分からない、会話ができない、現地の新聞が読めない、ニュースが理解できないなど、さまざまな苦労が出てくるでしょう。
これと似たような状況だと思ってもらえればよいです。
3.“失読症”の秘める特異な可能性とは?
失読症の人は、
脳での情報処理の仕組みが一般の人と異なっていることが、最新の研究で明らかになっているそうです。
ですので、
決して読み書きそのものが不可能なわけではなく、適切なサポートによって読み書きを学ぶことができます。
例えば、単に文字の書き順や読み方から学ぶのではなく、単語単位で体系的に覚えたり、「書く・話す」のみでなく、
「見る・聞く・触れる」など、いろんな種類の感覚体験を通じて学習すると、効果的に学べるそうです。
失読症の人は、物事を映像で捉えて考えるのが得意であるなど、
直感的・想像的な才能に長けている場合があります。
なので、本人も失読症だと気付かないまま高校・大学などで優秀な成績を収めたり、
言語を使わない分野で大きな成功を収めることもあるようです。
ジェニファー・アニストンは、その格好の例ですね。
でも他にもまだまだ、失読症の有名人や成功者はたくさんいるんですよ。
4.失読症の有名人は誰? 天才的な偉人も数々…
俳優:トム・クルーズ、キアヌ・リーブス、オーランド・ブルーム
女優:ジェニファー・アニストン、キーラ・ナイトレイ
映画監督:スティーブン・スピルパーグ
ハリウッドの一流人には、失読症の方が多いんですね。
その他、世界史に名を残す天才的な偉人たちにも、失語症だったとされる人が数多くいます。
アインシュタイン (物理学者)
モハメド・アリ (米国プロボクサー)
ジョン・レノン (ミュージシャン)
アンディー・ウォーホル (ポップ画家) …etc.
4.ジェニファーのトラウマと苦悩…もっと「失読症」に理解を
ジェニファー・アニストンは、20歳のときに初めて自らの失読症が判明したそうです。
それまでは、自身を頭のよくない、記憶力の悪い人間だと思い込んでいました。
他人どころか母親にさえも理解されず、
家庭でもいつも厳しく非難され、子供時代に様々なトラウマを味わって苦しんだそうです。
画像:The Billy Files
世間の“失読症”への認知と理解度はまだまだ大きくありません。
今後、あらゆる学習障害や発達障害への
きめ細かい支援体制・法的整備が切に求められるところでしょう。
2015-01-22 16:06
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