高知県の山間にある馬路村(うまじむら)は、ゆずの名産地として全国的に有名です。
けれども「ゆずの里」として馬路村の名前が本格的に知られるようになったのは、わずか二十数年前のことです。
その馬路村の、ゆずの香り豊かなポン酢が、テレビ朝日系の番組『食彩の王国』で紹介されました。
この記事では、『食彩の王国』で放映された内容をまとめつつ、馬路村特産ゆずのポン酢しょうゆを使ったおいしいレシピ等をお伝えしていきたいと思います。
【目次】
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1.どんな料理や食材にも合う“ポン酢”の魅力
① 創作和食
② 中華料理
③ フランス料理
2.家庭で簡単に作れるポン酢しょうゆ
① プロの創作和食シェフが教える、ポン酢しょうゆの作り方
② 専業主婦が超手軽につくる、ポン酢しょうゆの作り方
3.日本におけるポン酢の歴史
4.名ブランド“馬路村ポン酢”誕生の秘話
5.馬路村の自家製調味料“ゆずしぼり”とは?
6.“ゆずしぼり”を使った馬路村のオリジナル郷土レシピ
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1.どんな料理や食材にも合う“ポン酢”の魅力
冬においしい鍋料理には欠かせません。
ポン酢といえば和食のイメージが強いですが、意外にも中華やフランス料理にも合うんです。
創作和食・中華・フレンチ、それぞれの達人シェフが、ポン酢を使ったアイデアレシピを見せてくれました。
① 創作和食
神奈川県元町にある創作和食の店「元町 SHIMOMURA」のシェフ、下村さんは、料理によってポン酢を使い分ける達人だそうです。
【稲庭うどんクリームポン酢】
稲庭うどんに、生クリーム、卵黄、ポン酢しょうゆを合わせて絡める。
【ブリのポン酢煮】
湯通ししたブリを、砂糖、日本酒、ポン酢しょうゆで味付けして煮込む。
【鶏むね肉のポン酢焼き】
鶏むね肉をポン酢で焼く。
② 中華料理
東京・新橋の中華料理の老舗「新橋亭」シェフ、田中さんは、黒酢の代わりにポン酢を使う達人です。
【フカヒレの刺身ポン酢風味】
フカヒレを3時間蒸して柔らかくし、フカヒレのスープから作ったゼリーを盛りつけ、ポン酢、だいだいなどを合わせたたれをかける。
【タラバガニのむき身揚げ 甘辛酸味炒め】
タラバガニに片栗粉をまぶし、野菜と一緒に揚げ、ケチャップ、砂糖などにポン酢を加えたものを絡めて炒める。
③ フランス料理
東京・永田町のフランス料理店「ラ・ロシェル山王」の坂井シェフは、生クリームやバターの使用を控えてポン酢を多用することで、フルーティーでさっぱりしたフレンチを提供し、人気を得ています。
【オマール海老のポン酢ジュレ寄せ】
オマール海老、その他の魚介類をゆでて食べやすく切り、おろしたカブを型に敷き詰め、その上に魚介を詰め、ゼラチンでとろみを付けたポン酢しょうゆを流し込む。
冷蔵庫で冷やして固めてジュレに。
【アンコウのベーコン巻きロースト】
アンコウの皮をむいて身欠きにし、ポン酢しょうゆ・オリーブオイルなどを混ぜたつけだれに漬けてマリネにする。
それをベーコンで巻いてバターで焼き、ポン酢しょうゆにエシャロットなどを加えたソースをかける。
2.家庭で簡単に作れるポン酢しょうゆ
① プロの創作和食シェフが教える、ポン酢しょうゆの作り方
上記の創作和食店「元町 SHIMOMURA」のシェフ、下村さんが教えてくれる、自家製ポン酢しょうゆの作り方です。
●だいだいのしぼり汁にしょうゆ、みりんを加え、軽く焼いた昆布、かつお節を合わせて一週間ほど置く。
簡単ですね(^_^)
分量などはお好みで加減してくださいね。
② 専業主婦が超手軽につくる、ポン酢しょうゆの作り方
実は私も、自宅でポン酢しょうゆを作ってます。
いわゆる「七五三ポン酢」と呼ばれるもので、
しょうゆ:酢(またはゆず果汁):みりん=7:5:3
の割合で混ぜるだけ(!) あとは冷蔵庫保存。
ちなみに、しょうゆは本醸造の丸大豆しょうゆ(こいくち)、みりんは三河みりんを使用しています。
市販品よりよほどおいしいですよ。
ぜひお試しあれ。
3.日本におけるポン酢の歴史
“ポン酢”とは元々、ゆず・だいだい等の柑橘系果物のしぼり汁のことです。
これにしょうゆを加えたものが“ポン酢しょうゆ”ですが、私たちはこれを略して「ポン酢」と呼ぶことが多いですね。
江戸時代、長崎の出島では、オランダ人たちがゆずの果汁に酒や砂糖を加え、食前酒として飲む習慣がありました。
これがポン酢の始まりだと言われます。
明治時代に入り、水炊きが一般に普及すると、ポン酢も調味料として家庭に広まっていきました。
4.名ブランド“馬路村ポン酢”誕生の秘話
高知県の山間にある馬路村は、元々林業の盛んな地域でした。
ところが昭和50年代頃から、木材価格の下落とともに衰退し、村人たちは働き口を失っていきました。
そこで、当時の村役場の職員、東谷望史(とうたにもちふみ)さんを始めとして村民が立ち上がり、村復興の足がかりとすべく、各家庭で普通に栽培されていたゆずに目を付けます。
ところが、村のゆずは味はよいのですが、自家栽培ゆえ管理が行き届かず、見栄えの悪いものでした。
そこで、ゆずの加工品の開発を思い立ちます。
東谷さんら関係者はたびたび東京や大阪に出向き、馬路村のポン酢しょうゆを必死にPRしました。
そして販売開始から2年後、東京のデパートの特産品店で最優秀賞を獲得。
以降、「ゆずの里」馬路村の名は広く知られるようになり、町おこしのモデル村として全国から視察が訪れるほどになりました。
5.馬路村の自家製調味料“ゆずしぼり”とは?
山間は昼夜の寒暖差が大きく、馬路村のゆずは風味豊かに熟します。
しかも海風が当たらないため、酸味が強く、しっかりした味わいになると言います。
そのゆずの収穫期になると、村の方々は各家庭で、一軒に一台は必ずあるというゆずしぼり機でゆず果汁をしぼり、塩を加えて保存します。
これは馬路村特有の自家製調味料で“ゆずしぼり”と呼ばれます。
6.“ゆずしぼり”を使った馬路村のオリジナル郷土レシピ
馬路村から高知県全域に伝わる、ゆずを生かした郷土料理の幾つかをご紹介します。
【田舎寿司】
ゆずしぼりに塩・砂糖・じゃこ等を合わせ、炊きたてのご飯に混ぜて酢飯をつくり、しいたけやタケノコを混ぜ合わせる。
【サバの姿寿司】
米酢に1日浸した“しめサバ”をゆずしぼりに1時間漬け、上記の酢飯をそのサバの身の中に詰める。
土佐のお祝いの席には欠かせない郷土料理です。
【酢鶏】
にんにく・塩・こしょう・酒で下味を付けた鶏肉を揚げ、ゆずしぼりから作ったポン酢しょうゆをかける。
子供たちも舌鼓を打つ定番レシピです。
もう一つの代表的な高知県名物“鰹のたたき”にもポン酢しょうゆがよく合います。
馬路村の食卓には、この自家製ポン酢が常に食卓にあるそうです。
馬路村のポン酢は、ゆずとともに生きてきた村の人たちの「家族の絆」が感じられる、そんな温かい一品です。
2015-01-19 07:56
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