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「ヘイトスピーチはやめよう」差別反対を訴える大行進

9月22日、近頃問題となっている在日朝鮮人に対するヘイトスピーチに反対し、約1,200人の参加者が、新宿で横断幕やプラカートを手に大行進を行ったそうです。

ヘイトスピーチとは何かというと、要するに相手を嫌ったり憎んだりする感情をそのまま露骨に言葉にして一方的に相手に投げつける、特にそれを集団として実行することですね(朝日新聞では“憎悪表現”と説明しています)。
ですからそれは、筋の通った主張や論議ではなく、得てしてただの罵言・誹り・差別的表現に陥りがちです。
少し前までは、自己主張の強い諸外国の国民がヘイトスピーチを行うことがあっても、温厚で平和的な日本人が行うことは決してなく、日本駐在の外国人記者たちが、近年の日本の変わりように驚いているそうです。

その記者たちの一人が、最近のヘイトスピーチの中で特に由々しく感じたのは、ヘイトスピーチに参加した14歳のある少女が、大阪府の鶴橋地区に居住する在日朝鮮人に向かって、マイクを前に「鶴橋大虐殺を敢行しますよ」と発言したことだそうです。
このような事態が世界中に報道されれば、日本という国全体の威信が大きく傾くだけでなく、あたかも日本人の中学生が皆このようなことを言っているかと世界中の方に思われてしまうので、私たち一般市民にとっても他人事ではありません。

なぜここまでの暴挙に出るのか、当人たちが本当に言いたいこと・社会に理解を求めていることは一体何なのか?
それを知りたくて、このヘイトスピーチを主導している某団体のホームページを訪れ、掲示板の書き込みなどを少し見ましたが、説得力のあるPRは全く見当たらず、私たち一般人でも思わず眉をひそめたくなるような雑言が並んでいるだけでした。

「在日朝鮮人が不当に優遇されているから、それをなくしたい」そんな言い分は恐らく“大義”でしょう。
隣国の中国や韓国への反感を煽りがちな政治やメディアの流れに乗って、自分たちとは異質な少数派の人たちに対し、言いがかりを付けて日頃の鬱憤を晴らしているだけとしか思えないのは、私だけでしょうか。

今は各家庭にインターネットが普及し、現実社会との繋がりが希薄でもネット世界に没入して毎日を過ごすこともできます。ネット世界では、どんなに歪で特異な主義主張でも大抵見つけることができますから、そこで都合のよい持論を展開して、自分たちだけの偏狭な価値観を肥大化させることができます。

社会のIT化によるこのような弊害も、このような日本人の行動の変化の一因となっているのではないかと分析する評論家の方もおられるようです。

そもそも、隣国、中国と韓国に対する日本人の一般的な視線にも、ある種の偏りがあるように見受けられますが、それはさておき、まずはあからさまな差別・侮蔑の表現がいかに醜悪で自らを貶めるものであるか、それを察知できる鋭敏な感受性こそが日本人の美学を支えてきたことを、改めて振り返る必要があるでしょう。
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